小麦・小麦粉の
基礎知識
小麦の構造
<胚乳(約83%)>
この部分が小麦粉になります。その主成分は、糖質(でんぷん)、たんぱく質です。
<表皮(約15%)>
「ふすま」や「ブラン」とも呼ばれます。
食物繊維やマグネシウム、鉄分、亜鉛などを豊富に含んでいます。
<胚芽(約2%)>
脂質、たんぱく質、各種ミネラル・ビタミンを含んでいます。分離、精製して栄養補助食品等に使われます。
小麦・小麦粉の種類
小麦の種類
小麦には複数の種類があり、含まれているたんぱく質の質と量などによって区別されます。
用途別には次の4つに分類されます。
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硬質小麦
たんぱく質が多く、粘弾性(粘り・弾力性)に富むため、パンや中華麺向き。(主としてアメリカ・カナダ産)
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中間質小麦
たんぱく質の含有量は中くらいで、うどん(ゆで麺や乾麺)など向き。(主としてオーストラリア・国内産)
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軟質小麦
たんぱく質が少なく適度にやわらかいため、天ぷらなどの料理、ケーキやお菓子向き。(主としてアメリカ産)
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デュラム小麦
スパゲティやマカロニ用。柔軟で弾力性の強いグルテンを豊富に含むため、加工するとシコシコとした食感のコシの強いパスタに。もともと黄色味を帯びている。(主としてカナダ産)
小麦粉の種類
小麦粉は、小麦粉に含まれるたんぱく質(グルテン)の質と量によって、次の3つに分類するのが一般的です。業務用ではさらに細かく分類され、用途別・等級別に、100種類近い製品が販売されています。
強力小麦粉(強力粉) | 中力小麦粉(中力粉) | 薄力小麦粉(薄力粉) | |
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グルテンの量 |
多い
少ない
|
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グルテンの性質 |
強い
弱い
|
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粒度 |
粗い
細かい
|
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原料小麦の種類 | 硬質小麦 | 中間質小麦、軟質小麦 | 軟質小麦 |
主な用途 | パン、餃子の皮、中華まん、ピザなど | うどん、その他の料理 | ケーキ、お菓子、天ぷら、その他の料理 |
商品名 |
日清 カメリヤ |
日清 雪 |
日清 フラワー® |
その他の小麦粉
<全粒粉(ぜんりゅうふん)>
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普通の小麦粉は表皮(ふすま・ブラン)や胚芽をのぞいて製粉しますが、小麦の粒をまるごと挽いたのが全粒粉です。食物繊維やマグネシウム、鉄分、亜鉛などが豊富に含まれています。
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<デュラムセモリナ>
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グルテン含有量の多い硬質のデュラム小麦を粗挽きにしたもの。パスタ用の小麦粉として、多くのパスタに使用されています。
もともと胚乳が黄色味を帯びているので、薄黄色の粉になります。
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小麦粉は、でんぷん、たんぱく質などの成分を含んでいます。中でもグルテンというたんぱく質は、小麦独自のものです。
小麦粉に水を加えてこねると粘りと弾力性が出てくるのは、このグルテンのためです。グルテンの量が多く、質の強いものから順に強力粉、中力粉、薄力粉となっています。パンや麺などのいろいろな食品がグルテンの性質を利用して作られています。
小麦粉の選び方・使い方
用途に合わせて選びましょう
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家庭用の小麦粉には、強力粉、中力粉、薄力粉の3種類があります。強力粉はパン、餃子の皮、ピザなど、中力粉はうどんなど、薄力粉はケーキやお菓子、天ぷらなどの料理に適しています。
用途に合わせて上手に使い分けましょう。
小麦粉はふるうとサラサラになり、お料理やお菓子がふんわり美味しくできます。ベーキングパウダーを使うときは、いっしょにふるうと均等に混ざります。
<ケーキに使う場合>
スポンジケーキの場合は小麦粉を加えたら、ゴムべらなどを用いてボールの底をこするようにひっくり返し、生地の表面がなめらかになるまでさっくりと切るように混ぜます。
ショートケーキの作り方<天ぷらに使う場合>
冷水を用いて軽く混ぜます。少しぐらい小麦粉のダマが残っていてもかまいません。混ぜすぎると重たい衣になってしまいます。
天ぷらの作り方<パンやうどんに使う場合>
パンやうどんなどは、よく練って使います。手につかなくなるまで練ると小麦粉の粘りが出て、パンはよく膨らみ、うどんはコシが強くなります。
保存するときの注意
小麦粉は、においを吸着しやすい性質をもっているので、においの強いものの近くで保存しないようにしましょう。
また、小麦粉は湿気に敏感です。保存するときは、涼しい、乾燥した場所を選んでください。穀物を好む虫が外部から侵入する可能性もありますので、きちんと密封して保存しましょう。
冷蔵庫での保管は、結露による固まりやカビの発生、冷蔵庫内のにおいがうつってしまうことがありますので、おすすめはしておりません。
薄力粉・中力粉が約1年、強力粉は約6カ月が目安となります。賞味期限内は美味しくご使用いただけますが、上手に保存することが大切です。また、開封後はできるだけ早く使い切るようにしましょう。
小麦の生産と消費
世界で最も小麦を生産している国
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出典:(※1)米国農務省「Grain:World Markets and Trade 2020/10」
(※2)農林水産省「令和2年度 麦の需給に関する見通し」 -
世界最大の小麦生産国は中国で約136,000千トンです。2位はインドで約107,592千トン、3位はロシア連邦で約83,000千トンです。ちなみに日本は約1,025千トンです。
世界で最も小麦を消費している国
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出典:(※1)米国農務省「Grain:World Markets and Trade 2020/10」
(※2)農林水産省「令和元年度 食料需給表(概算)」 -
世界最大の小麦消費国は中国で約130,000千トンです。2位はインドで約99,500千トン、3位はロシア連邦で約41,000千トンです。ちなみに日本は約6,323千トンです。
日本人1人当たりが1年間に小麦粉を消費する量
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出典:農林水産省「令和元年度 食料需給表(概算)」
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お米の消費量は1年間に約53.0kgです。小麦粉の32.3kgは、うどんだけを食べたとすると約450杯分です。小麦粉はお米と並んで日本人の主食なのです。
※うどん約450杯分…中力粉100に対して食塩3、水35を足して作ったうどんの1食(生めんで約100g)当たりの小麦粉使用量で試算