日清 クッキング フラワー®
徹底的な消費者目線が
唯一無二を生み出す
小麦粉市場の活性化を目指した
商品開発に着手
日清製粉グループは1955年の「日清 フラワー®」発売以来、使い勝手向上のためにパッケージにチャックをつけるなどのリニューアルを行いながら着実にブランド力を高めてきました。近年では、小麦粉市場は停滞傾向にあり、そうした状況を踏まえ、小麦粉の使用実態調査を実施。その結果、「粉が散って汚れる」「粉が袋から出にくい」などの使い勝手に対する不満、また少量のみ使う人が多いことや目につかない場所に保管されていることから、一袋を使い切れないといった声に着目しました。
これらを踏まえ、小麦粉の新たな進化のかたちとして、圧倒的に使いやすく、少量使いに特化し、キッチンの目につく場所に置きやすいことをコンセプトとした容器入り小麦粉の開発を開始。使いやすさを向上させた小麦粉と、使い勝手・収納性を追求した容器を作り上げ、2015年に誕生したのが「日清 クッキング フラワー®」です。
振り出しやすく、溶けやすい
小麦粉の開発
小麦粉の開発で追求したのは「振り出しやすさ」と「溶けやすさ」。一般的な小麦粉はダマになりやすいため、そのまま容器に入れてもスムーズに振り出せず、水に溶けづらい性質があります。そこで、「日清 クッキング フラワー®」は、小麦粉の粒を大きくそろえることで、容器からサラサラと振り出すことができて、粉舞いしにくく水にも溶けやすい特性を付加しました。
開発工程では、最適な粒の大きさを検証するため、生産部門と協力して100種類以上の小麦粉を試作。最終的には、一般的な小麦粉に比べて約3倍の平均粒子径になるよう設計しました。従来の概念を覆す小麦粉を実現した背景には、マーケティングとの緊密な連携や、日清製粉グループが長年にわたり研究を続けている小麦粉の粉体加工技術、そしてグループ内で事業をまたいで蓄積してきた製造ノウハウが活かされています。
日清 クッキング フラワー®の特長
使いやすさを追求した容器の開発
これまで少量使いを目的とした小麦粉はなかったため、容器の開発も初めての試みでした。容器メーカーや生産部門等の社内外の知恵を借り、コンセプトに適した形状を洗い出し、30種類以上のプロトタイプを作成。さらに、消費者の視点に立った使いやすさを追求するためにモニター調査を実施して検証を重ね、容器の形状を1つに絞り込んでいきました。
こうして「①手にフィットする持ちやすい形状、②振り出しとすり切りの使い方ができる2つの口、③調理をしながら片手で振り出せる150gの容量、④開けやすく、閉める際にはパチッと音がでるふたの構造」を採用し、使い勝手と収納性を極限まで追求したプラスチック製の新容器が誕生したのです。
容器設計の4つのポイント
日清製粉グループには多くのロングセラー商品やトップシェア商品がありますので、それらに携われるというやりがいもありますし、日常のなかで自分が開発した商品を目にする機会も多いこともモチベーションにつながっています。今後、「日清 クッキング フラワー®」も時代に合わせてより進化させ、どの家庭のキッチンにも当たり前に置いていただけるロングセラー商品に育てていければと考えています。
株式会社日清製粉グループ本社
R&D・品質保証本部 基礎研究所 榊原 通宏※ 所属は取材当時。
開発当時は株式会社日清製粉ウェルナ
プロダクトマネジメント統括部