ティーサンドイッチの最終回は、定番のたまごサンドです。
たまごサラダのような「塗るフィリング」は、塗り方や量、パンとのバランスによって見た目の印象が大きく変わります。
シンプルだからこそ、いろいろ試して、お好みのバランスを研究してみてください!
きゅうりやハムの場合は、はさむだけで均一な厚さに仕上がりますが、「塗るフィリング」の場合は、塗り方によって断面の見え方が大きく変わります。たまごサンドを例に、塗り方の違いを比べてみましょう。
厚みを均一に、耳に近い部分まで真っ直ぐ塗ります。これをカットすると、カット面が平行な厚さの整ったサンドイッチに仕上がります。ティーサンドイッチの場合は、この塗り方が基本になります。
パンの内側に、中央をふっくらさせるように塗ります。この時、パンを手のひらにのせ、手のひらを軽く丸めるようにすると、自然にふっくらと塗ることができます。この塗り方なら、耳に近い部分にフィリングがないため、切り落としてしまうロスがなく、中央が盛り上がることでボリューム感が出ます。左右対称のふくらみが美しさのポイントなので、小さくカットするのには向きません。
小さく切りたいティーサンドイッチは均一に、大きめに切りたい普通のサンドイッチはボリューム感の出る塗り方がおすすめです。
ここでご紹介しているティーサンドイッチは、10枚切りのパンを使っています。本当のティーサンドイッチはもっとパンが薄いのですが、日本の食パンで作るならこれ以上薄くするのは難しそうです。
というのも、そもそもイギリスと日本ではパン自体が違います。日本の食パンはふわふわでしなやか。甘みがあって口どけがよく、分厚く切ってもパクパクいただけます。その反面、薄くスライスしてサンドイッチにするとつぶれやすくなります。
ところがイギリスの食パンは、日本のパンに比べると目が詰まって固く、水分量も少なめです。イギリスのトーストが薄くてカリカリなのは、そんなパンだからこその食べ方なのです。サンドイッチにする時も、薄く切ることで、食べやすく、食材との馴染みもよくなります。ドイツのライ麦パンは、ライ麦比率が高いほど薄くスライスしていただきますが、これと同じことですね。
日本の食パンを使う場合は、パンを厚くしても食べやすいので、お好みで厚さを変えてみてください。ここでは、同じ量のたまごサラダを、厚みの違うパンではさんでみました。こうしてみると、見た目の印象もずいぶん違いますね。
パンのベストな厚さは、中にはさむ具材の種類や量によっても変わります。具材たっぷりのBLTやとんかつなら、パンは厚めの方がバランスよくまとまります。ハムだけ、きゅうりだけというシンプルなティーサンドイッチには、やっぱり薄めがおいしく感じます。たまごフィリングはお好みで。少量を薄いパンではさんでも、たっぷりを分厚いパンではさんでも、それぞれのおいしさがあります。いろいろ試して自分好みの厚さとバランスを見つけてみてください。
ティーサンドイッチは、丁寧に作ればおもてなしにもピッタリですね。基本をマスターできたら、自由にアレンジしてみてください!
さて、次回は最終回。
おたのしみの「フルーツサンドイッチ」をご紹介します。
*たまごサラダ
たまごは固茹でにし、細かく切る(簡単に細かく切る方法は下の動画を参照)。たまご1個につきマヨネーズ大さじ1を合わせ、塩、白こしょうで味を調える。お好みでマヨネーズの量を増やしてもよい。
※自家製マヨネーズを使うとよりおいしく仕上がります!
※マヨネーズとサワークリームを半量ずつ混ぜて使うのもおすすめ。ほどよい酸味が心地よく、軽やかな味わいに仕上がります。