シンプルなバゲットもおいしいけれど、フランスパン熱が高まるにつれ、パン・ド・カンパーニュ(pain de campagne)の魅力にとりつかれる方が多いようです。カンパーニュとは「田舎」のことなので、パン・ド・カンパーニュとは「田舎パン」のこと。フランスの中でも都会であるパリで生まれたバゲットと違い、各地方で古くから愛されてきた日常のパンがパン・ド・カンパーニュです。
パン・ド・カンパーニュは、ライ麦粉や全粒粉が入っていたり自家製の発酵種を用いていたり、素朴な味わいが特徴です。決まりがないので、パン職人のこだわりや技の見せどころでもあります。パリで食事をしていて気がついたのですが、人気のビストロで出てくるパンは、バゲットではなくパン・ド・カンパーニュであることが多いです。茶色かったり酸味があったり、そのままだとちょっとクセがあるパンですが、料理と合わせると味わい深く、料理の印象を強めてくれます。
繊細な料理にはプレーンなバゲットを、ガツンとした力強い味わいの料理にはパン・ド・カンパーニュを、と使い分けてみるのも良いでしょう。家庭で気軽にたのしむなら、まずはタルティーヌがおすすめです。ワインが進む大人のタルティーヌは、おもてなしにもいいですね。