2021.10.08 Fri
何をすればいい?今日からできる「腸活」のはじめ方 ④(全5回)
腸内フローラはこれで整う!~生活習慣編~
前回の腸活では、善玉菌を増やして腸内フローラを整える食事をご紹介しました。しかし食生活を頑張っても、便を出すチカラが足りなければ、腸に老廃物が長くとどまることに。ひいては老廃物の腐敗が進み、腸内環境が悪化してしまいます。今回は、「出すチカラ」を育んで快便へと導く「腸が喜ぶ暮らし方」をご紹介します。
前回の腸活では、善玉菌を増やして腸内フローラを整える食事をご紹介しました。しかし食生活を頑張っても、便を出すチカラが足りなければ、腸に老廃物が長くとどまることに。ひいては老廃物の腐敗が進み、腸内環境が悪化してしまいます。今回は、「出すチカラ」を育んで快便へと導く「腸が喜ぶ暮らし方」をご紹介します。
歩くほどに育まれる
「出すチカラ」
善玉菌が元気に活動できるように食生活を見直し、腸内フローラを整えれば、お腹の中で質の良い便がつくられます。しかし現実には、それを「出すチカラ」が不足しているために、腸がスッキリしない人は少なくありません。
つくった便を出すためには、腹筋や腰回りの腸腰筋(インナーマッスル)の力が欠かせません1)。加齢によって衰えてくるのはもちろんですが、運動不足や姿勢の悪さが原因でここが弱っている若い人も多いのでご注意を。
つくった便を出すためには、腹筋や腰回りの腸腰筋(インナーマッスル)の力が欠かせません1)。加齢によって衰えてくるのはもちろんですが、運動不足や姿勢の悪さが原因でここが弱っている若い人も多いのでご注意を。
インナーマッスルを鍛える・維持するには、コツコツ動かすしかありません。とはいえ本格的なトレーニングは不要。まずは「よく歩く」ことからはじめてみましょう。
インナーマッスルを鍛える・維持するには、コツコツ動かすしかありません。とはいえ本格的なトレーニングは不要。まずは「よく歩く」ことからはじめてみましょう。
普段から歩くことが少ない人なら、車やバスでの移動を徒歩に変えたり、階段を意識的に使って腹筋を意識しながら上り下りするだけでも鍛えられます。いきなり長時間歩いても続かないので、無理せず少しずつ歩く機会を増やし、慣れてきたら、1日1万歩をめざしましょう。家の中でもインナーマッスルを鍛えられる簡単なエクササイズもご紹介しますので、すきま時間を活用して、毎日続けてみてください。
Step1
イスに座り、両足を肩幅に開いて片足ずつ太ももをゆっくり上げ下げ。机に向かって座っている場合は、机を押し上げるように太ももを上げるとより効果的です。
Step2
手のひらをお腹に当てて、「の」の字を書くようにマッサージ。呼吸は止めず、腹式呼吸(お腹を凹ませながら口から息を吐き、吐ききったら鼻から空気を吸ってお腹に空気をためる呼吸法)をしながら動かす。
※エクササイズの回数や時間は続けやすいように自身で調整OK。
睡眠と腸内環境の意外な関係
腸活に役立つ食事をして、適度に運動もしているのに便通が悪い。そんなときは睡眠不足を疑ってみましょう。
睡眠は脳や体の疲れだけでなくストレス解消にも役立ち、自律神経を安定させる大切な生活習慣です。きちんと眠れていないと寝つきが悪くなったり、睡眠の質が低下し、ますます自律神経が乱れてしまいます。
実は、腸の働きをコントロールしているのも自律神経。自律神経がバランス良く働くことで腸の弛緩・収縮が行われ、スムーズな便通へとつながっている2)のですが、睡眠不足でこれらが乱れると腸の動きも乱れてしまい、「腸活をしていてもお腹の調子が整わない」という状態に...。特にウサギの糞のような丸くて細かい便が出ているようなら、ストレス由来の便秘の疑いがあります。
趣味や入浴など、自分なりのリラックス法でストレスをほぐしながら、夜は質の良い睡眠で自律神経を整えることが大切です。
第1回でもお伝えした通り、腸内フローラの細菌バランスは、年齢を重ねるにつれて崩れやすく、さまざまな病気を引き起こす原因にもなります。今の健康だけでなく将来の病気リスクを避けるためにも、「腸活:食生活編」とあわせて、今回の「よく食べ、よく眠る」生活習慣をぜひ実践してみてください。
- 1)辨野義己. 一生医者いらずの菌活のはじめ方. マイナビ, 2013, p.145-148.
- 2)辨野義己. 一生医者いらずの菌活のはじめ方. マイナビ, 2013, p.149-150.
<監修>
辨野義己
一般財団法人辨野腸内フローラ研究所 理事長/国立研究開発法人理化学研究所 名誉研究員