小麦の基礎知識
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腸活の新常識!?発酵性食物繊維「アラビノキシラン」の驚きのパワーとは?

小麦が腸内環境の改善(腸活)に役立つことをご存知ですか?そのカギとなっているのが、小麦全粒粉や小麦ブラン(小麦ふすま)に多く含まれる発酵性食物繊維「アラビノキシラン」。ここでは、この成分の腸活パワーについてご紹介します!

小麦が腸内環境の改善(腸活)に役立つことをご存知ですか?そのカギとなっているのが、小麦全粒粉や小麦ブラン(小麦ふすま)に多く含まれる発酵性食物繊維「アラビノキシラン」。ここでは、この成分の腸活パワーについてご紹介します!

発酵性食物繊維ってどんなもの?

整腸作用をはじめ、私たちの健康に欠かせない働きを担ってくれる食物繊維には、とてもたくさんの種類があり、分類の仕方もさまざまです。たとえば、「植物性食品由来」と「動物性食品由来」、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」、さらには、腸内での発酵のしやすさによって「発酵性食物繊維」と「非発酵性食物繊維」に分けることも。その中で、近年、腸活の新たな主役として脚光を浴びているのが発酵性食物繊維です。それでは、なぜ、発酵性食物繊維が注目されているのでしょう?

腸はお通じだけでなく、免疫や代謝にもかかわる健康の要ともいえる大切な臓器で、腸内環境を整えることが重要です。この腸内環境を大きく左右するのが腸内細菌。腸内細菌には、からだに良い影響をもたらす善玉菌、悪い影響をもたらす悪玉菌、どちらにも属さない日和見菌の3つがあり、善玉菌を増やすことが、腸内環境を整えるポイント。発酵性食物繊維は、善玉菌のエサとなって発酵し、善玉菌の増殖をサポートする働きがあることから、腸内環境の改善に頼もしい力が期待できるのです。

発酵性食物繊維には、水溶性食物繊維の多くと不溶性食物繊維の一部、でんぷんなのに食物繊維と同じような役割を果たすレジスタントスターチなどがあり、小麦全粒粉や小麦ブラン(小麦ふすま)、玄米、根菜類、大豆製品などに多く含まれています。

発酵性食物繊維には、その種類によって、腸内で発酵する場所、食べてから発酵するまでの時間が異なるという特徴があります。水溶性のものは主に腸の入り口から真ん中あたりで、不溶性のものとレジスタントスターチは腸の奥で、善玉菌のエサとなって発酵します。また、この発酵は、腸の入り口では食物を食べてから4〜6時間程度、真ん中では8〜10時間程度、奥では16時間以上経ってから生じると見られています。

一日を通して腸内環境を良い状態に保つためには、いろいろな種類の発酵性食物繊維を摂ることをおすすめします。

発酵性食物繊維「アラビノキシラン」の働き

そんな"腸活のニューカマー"として注目を集める発酵性食物繊維のひとつが「アラビノキシラン」です。特に小麦全粒粉や小麦ブラン(小麦ふすま)などに多く含まれています。

発酵性食物繊維「アラビノキシラン」は、腸の奥に届いて酪酸菌をはじめとする善玉菌のエサになり、善玉菌を増やすとともに、善玉菌の一つである酪酸菌は短鎖脂肪酸をつくり出し、腸内環境を改善することがわかっています。また、短鎖脂肪酸は、腸のぜんどう運動を促進して便通の改善にも。発酵性食物繊維「アラビノキシラン」は、腸を元気にしてくれる強い味方なのです。

発酵性食物繊維「アラビノキシラン」を手軽にしっかり摂りたいなら?

発酵性食物繊維「アラビノキシラン」を毎日しっかり摂るには、主食を工夫するのがおすすめ。白米を玄米に、パンやパスタを小麦全粒粉入りのものにするなど、主食を切り替えれば、手軽に、そして継続的に発酵性食物繊維「アラビノキシラン」を摂取できます。より良い腸内環境を目指して、あなたに合う方法を試してみてはいかがでしょうか。

<監修>

青江誠一郎

大妻女子大学 教授/日本食物繊維学会 理事長