生野菜から温野菜まで、パンと合わせておいしさ広がる野菜のサンドイッチ講座
生野菜から温野菜まで、パンと合わせておいしさ広がる野菜のサンドイッチ講座

LESSON
7

野菜のサンドイッチ講座野菜が名脇役のミックスサンド

野菜をたっぷり使用した野菜が主役のサンドイッチも魅力的ですが、今回はちょっと少なめ。一見すると、ただの脇役に見えます。でも、食べてみると野菜の味わいがアクセントになり、名脇役であることがわかります。

その名脇役が、キャラメリゼした紫玉ねぎのチャツネ(Caramelised Red Onion Chutney)です。チャツネというとカレーに添えるインドのチャツネを思い浮かべますが、それとはちょっと違います。元はインドから伝わったチャツネがイギリスの食材でローカライズされ、果物や野菜を使ったいろいろなものが作られています。見た目はジャムのようで、砂糖、ビネガー、塩、スパイスで調味されており、甘酸っぱさが特徴です。イギリスではハムやチーズに添えたり、サンドイッチにも欠かせません。甘酸っぱく煮込まれた紫玉ねぎの味わいが新鮮で、シンプルなサンドイッチに合わせるだけでワンランク上のおいしさに仕上がります。

今回作るのはイギリスの「プラウマンズランチ(Ploughman‘s Lunch)」をサンドイッチにしたものです。農夫の昼食という名前の通り、調理せずに食べられる食材を盛り合わせただけの素朴な食事で、チャツネが欠かせません。ハムとチーズが主役の王道の組み合わせに見えますが、食べてびっくり。名脇役と呼ぶのがぴったりの、チャツネの存在感に驚かされることでしょう。

プラウマンズサンドイッチ

材料(1組分)
全粒粉入り食パン(10枚切り)
2枚
無塩バター
16g
紫玉ねぎのチャツネ※
12g
ももハム
2枚(30g)
チェダーチーズ(スライス)
1.5枚(30g)
りんご
1/6個(30g)
リーフレタス
10g
にんにくマヨソース※※
6g
※紫玉ねぎのチャツネ(作りやすい分量)
紫玉ねぎ
大2個(500g)
きび砂糖
100g
赤ワインビネガー
大さじ4
バルサミコ酢
大さじ1
マスタードシード(あれば)
小さじ1/2
小さじ1/4
太白ごま油(またはサラダ油)
大さじ1
※※にんにくマヨソース(作りやすい分量)
マヨネーズ
50g
にんにくのすりおろし
7g
作り方
1. 1.

紫玉ねぎのチャツネを作る。

  1. ① 紫玉ねぎは、繊維と直角に薄切りにした後、2cm幅に切る。
  2. ② ①と塩を耐熱ボウルに入れて軽く混ぜ合わせる。ふんわりとラップをかけて600Wの電子レンジで10分加熱し、太白ごま油を加えて混ぜ合わせる。
  3. ③ 鍋にきび砂糖と水大さじ1(分量外)を入れて中火にかける。きび砂糖が溶けてきたら、軽く混ぜながらキャラメル状になるまで加熱し、②を加えて手早く混ぜ合わせる。
  4. ④ 赤ワインビネガー、バルサミコ酢、マスタードシードを加え、余分な水分が飛ぶまで混ぜながら中火で加熱する。

Point! サンドイッチやトーストのアクセントに大活躍
1組のサンドイッチに使う量は少しですが、作り置きしておくといろいろなメニューに活用できます。シンプルなハムサンドやチーズトーストのアクセントにプラスするだけでおいしさアップ!スパイスはお好みで、マスタードシードが手に入らない場合は、こしょうやカイエンペッパーを加えてアレンジしても良いでしょう。煮沸消毒した保存瓶に入れ、冷蔵庫で1カ月程度保存できます。

2. 2.

にんにくマヨソースを作る。
すべての材料を合わせ、よく混ぜる。

Point! 市販のマヨネーズをアレンジ
市販のマヨネーズににんにくを少量加えるだけで、ひと味違うこだわりのおいしさに!自家製のにんにくコンフィを使うのがおすすめですが、市販のにんにくチューブを使うとより手軽にたのしめます。

3. 3.

りんごは薄切りにする。

Point! りんごの切り方
真ん中の芯(種)の部分が入らないように縦に切ったら、断面を下にしてまな板に置き、3㎜の厚さに切ります。

※写真では分量より多くりんごを切っています。

4. 4.

全粒粉入り食パンは、軽く色づく程度にトーストする。

Point! トーストのベストな焼き加減
トーストサンドのパンは、軽く色づき、表面はパリッとして内側には水分が残っている状態がベスト。表面が焼き固められることでたっぷり具材をはさんでもパンがつぶれず、組み立ても容易に。カリカリにするとパンと具材が馴染みにくくなるので注意しましょう。

5. 5.

サンドイッチを組み立てる。

  1. ① 全粒粉入り食パンの片面に無塩バターを半量ずつ塗る。
  2. ② ①の片方に紫玉ねぎのチャツネを塗り重ね、ももハムを二つ折りにしてのせる。
  3. ③ にんにくマヨソースの1/3量を細く絞り、チェダーチーズ(半分に切って重ね、パンのサイズに合わせる)をのせる。
  4. ④ 残りのにんにくマヨソースの半量を細く絞り、りんご(重ねてパンのサイズに合わせる)をのせる。
  5. ⑤ 残りのにんにくマヨソースを細く絞り、リーフレタスをのせる。
  6. ⑥ もう1枚の全粒粉入り食パンではさみ、手のひらで上から全体をやさしく押さえて具材とパンを馴染ませる。

Point! マヨソースの役割
食材を重ねる前にマヨソースを少量ずつ絞るのは、調味のためだけでなく、食材同士を接着するためでもあります。ひと手間かけることで食べやすくなり、味も調和します。

6. 6.

ワックスペーパーで包み、半分に切る。

  1. ① パンの縦の長さの3倍に切ったワックスペーパーの中央に、サンドイッチを縦向きに置く。
  2. ② ワックスペーパーの上下の端を合わせて1cm幅に折り、サンドイッチに密着するまでくるくると折り込む。
  3. ③ 90°回転させ、ワックスペーパーの端を三角形に折り、先端を裏側に折り込む。反対側も同様に三角形に折り、先端を裏側に折り込む。
  4. ④ ワックスペーパーの合わせ目に対して垂直に、半分に切る。

Point! ワックスペーパーで包む目安
パン2枚の厚みと、具の量(厚み)を比べた時、パンの2倍以上の具をはさむ場合は、ワックスペーパーで包むと安心です。包むことで崩れにくく食べやすくなります。

Memo

にんにくのコンフィでさらにおいしく!
にんにくのコンフィでさらにおいしく!
にんにくのコンフィでさらにおいしく!

食欲をそそるにんにくの香りはサンドイッチのアクセントにも大活躍ですが、生食だと刺激が強すぎたり、食後の臭いが気になったりすることも。

時間がある時に、にんにくのコンフィを作り置きしておくと、そういった心配も要らず、サンドイッチのソースだけでなくドレッシングに入れるなど、料理のアクセントにいろいろと活用できます。

今回のにんにくマヨソースも、にんにくのすりおろしをコンフィに置き換えると、よりマイルドな味わいをたのしめます。