パン屋さんでサンドイッチを買う理由をお聞きすると、多くの方が「野菜が入っているから!」と答えます。サンドイッチはパンであり、メインであり、サラダであり…片手で食べられるワンプレートメニューのよう。気軽に多くの食材をいただけるのも魅力のようです。
なので“野菜たっぷり”のサンドイッチは特に人気があります。BLTもその一つ。たっぷりのレタスとジューシーなトマト。ベーコンは焼くだけだし、野菜は洗って切ってはさむだけ。とても簡単なはずなのに、こだわりのカフェで食べたものと自分で作ると何かが違う。そんな悩みをよく聞きます。
そこで、まずは、BLT作りに欠かせない、野菜の下準備と見せ方のポイントをお伝えしましょう。
ペティナイフでヘタを取り、破らないよう丁寧に、1枚ずつ葉をはがしてたっぷりの冷水でよく洗います。葉についた砂やゴミは下にたまるので、ボウルの底にたまった汚れが再付着しないよう、都度ザルに上げながら、水を数回替えましょう。
きれいに洗えたら、冷水につけてシャキッとさせてから、サラダスピナーでしっかりと水分を取ります。
すぐに使わない場合は、ビニール袋にペーパータオルを1枚入れ、その上に水切りしたレタスを入れます。ふんわりと空気を含ませるように袋の口を結び、冷蔵庫で保管します。
使う前に、さらにペーパータオルで余分な水分を押さえ取ってからパンにはさみます。
ペティナイフでヘタを取り、よく洗います。表面の水分をペーパータオルで拭き取って、お好みの厚さにスライスします。薄い食パンで作るシンプルな野菜サンドなら8㎜ぐらい、ボリューム感のあるBLTなら15㎜ぐらいがおすすめです。
バットにペーパータオルを敷いて、スライスしたトマトを重ならないように並べます。表面に、塩、こしょうを少々ふって軽く下味をつけると、塩によって余分な水分が出て、味をギュッと引き締めてくれます。上にもペーパータオルをのせて、カット面の両面から流れ出てくる水分を押さえ取ります。
※トマトがたくさんある場合は、バットでなくプラスチックの保存容器等に同様に並べ、すぐに使わない場合は冷蔵庫で保管します。
ペーパータオルが余分な水分をほどよく取り、そのまま使えますが、気になる場合は、はさむ直前に再度ペーパータオルで押さえると確実です。
※トマトの種を取るとさらに水分流出が抑えられますが、ジューシーなおいしさもなくなってしまうので、私は取らずに使っています。
野菜はほとんどが水分です!
その水分がおいしさでもありますが、パンをベチャベチャにしてしまい、おいしさを損なう原因にもなります。
洗浄時に付着した水分は、きっちり丁寧に取る!ここが重要。
ここをおろそかにすると、ベチャベチャのサンドイッチになってしまいます。
こうしてまとめてみると、野菜の下準備だけでも、細かなポイントがたくさんあり、手間がかかりますね。お弁当でたくさんのサンドイッチを作りたい時などには、洗浄、水切りまでを前日の夜に行い、冷蔵庫で保管しておくのがおすすめです。その場合は、雑菌の増殖を防ぐため、保存容器や調理器具に食品用アルコールを噴霧するなど衛生面にも気をつけましょう。
下準備で、レタスを「破らないように丁寧に1枚ずつはがす」のには理由があります。カット面の美しいBLTを作るためには、「レタス1枚」まるごと使うのがポイントなのです。
それでは、レタスのはさみ方をご紹介しましょう。
パンのサイズに合わせて折りたたみ、上から手のひらでトンと叩いて形を固定させます。
すると、レタスがバラバラにならずに、ボリューム感のある断面が作れます。
パンより大きくたたんで、カットする時に折り部分が切れてしまったり、ちぎれたレタスを重ねると、レタスとレタスの間に接着するものがないためバラバラに。
このはさみ方は、BLTだけでなく、レタスとハムのサンドイッチにもいいですね。きれいな断面が出てくると、作る度にうれしくなります!
さて、今回はこの辺りでおしまいです。
次回は、「食材をのせる順番」をご紹介します。
*マヨネーズ20g、トマトケチャップ15g、ディジョンマスタード5g、カイエンペッパー少々を混ぜ合わせる。