お店紹介
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べッカライ・ブロートハイム

粗挽きの全粒粉と、ライ麦全粒粉が配合された「グラハムブレッド」

近隣に住むお客さんが毎日焼き立てのパンを買いにくる。「おはよう」「このパンは何が入っているの?」「どう食べたらおいしい?」。ただパンを作って販売するのではなく、挨拶を交わしたり、パンの説明やもっともおいしい食べ方などを伝えたり。ヨーロッパではごくあたりまえの、そんなパン屋を目指して住宅街にオープンしたのが1987年。「べッカライ・ブロートハイム」の主人、明石克彦さんの願い通り、地域に根ざした街のパン屋として地元客から愛され、またそのパンの虜になるリピーターは後を絶たず遠方からも多くの人が足しげく通う名店です。

全粒粉を使用しているメニューの名前は?

「グラハムブレッド」 375円(税別)

健康的で味わい深い全粒粉

小麦を丸ごと粗挽きしたグラハム粉(全粒粉)を使用した「グラハムブレッド」は30年以上も前から作っている定番商品のひとつです。「小麦の風味や粗挽きならではの食感が好きでね。栄養価も高く健康的。でも当時は体にいい=ボソボソとしてまずいというイメージを持つ方も多かったから。食べ物はおいしくないとね。グラハム粉の深い味わいを生かしておいしくなる製法をいろいろ試しました」と明石さん。

すべての工程の中でも特に重要な発酵

パン作りの工程はどれも一瞬の気も抜けないと語る明石さん。中でも特に出来栄えを左右するのが発酵だそう。「同じ材料と分量、設備や湿度など条件が一緒なのに、生き物だから日々変わるんだよね。できが悪いと売りたくないなって。本当に落ち込んじゃう」と。

長年研鑽を積んできた明石さんでも日々悩むことに驚かされますが、この探究心や、よりよいものへの向上心が格別なパンを提供し続けている証です。「単にパンが好きで作るのが楽しいだけ」と笑う明石さんからは、心からパンを愛し、お客さんに届けたいとの想いが伝わってきます。

「常連の外国人のお客さんに『スライスはどうしますか?』と聞くと、必ず僕のおまかせでと言うんですよ。僕が作ったパンなのだから、もっともおいしく食べられる状態を知っているでしょと。ヨーロッパのパン屋さんでは一般的な対面式の販売スタイルにしたのは、おいしく食べてもらいたいとの一心からです。だからどんどん質問して欲しいですね」。

「グラハムブレッド」は薄めにスライスし、トーストしてサンドイッチにするのもおすすめだそう

簡単な商品説明は記されているが、ぜひお店のスタッフとの会話も楽しんでほしい

50種類ほどのパンと焼き菓子が店頭に並ぶ「べッカライ・ブロートハイム」。数種類の生地をベースにアレンジするのが一般的な中、生地の種類が多く時間も手間もかかるのに、できるだけありのままのパン作りにかける姿勢と愛情が名店たるゆえんなのだと。近所にこんなパン屋さんがあったら......。幸せな毎日が過ごせそうですね。

店名
べッカライ・ブロートハイム
住所
東京都世田谷区弦巻4-1-17
TEL
03-3439-9983
営業時間
7:30〜18:00
定休日
月曜日、第1・第3火曜日(その他不定休あり)
※記載されている内容は、2021年1月21日現在のものです。