1日を充実させる朝時間の使い方
少し早起きをして、趣味やスキルアップなどのために朝の時間帯を使う「朝活」。近年の生活様式の変化に伴い改めて注目され、内容も多様化しています。そこで今回は、朝活のメリットや朝活を続けるコツをご紹介。朝時間を上手に活用して、毎日をより充実させてみませんか。
少し早起きをして、趣味やスキルアップなどのために朝の時間帯を使う「朝活」。近年の生活様式の変化に伴い改めて注目され、内容も多様化しています。そこで今回は、朝活のメリットや朝活を続けるコツをご紹介。朝時間を上手に活用して、毎日をより充実させてみませんか。
朝活にはいいことがたくさん!
まずは、朝活することのさまざまなメリットをご紹介します。
メリット① 前向きになれる朝、起きたての脳は、睡眠を経て疲労がとれ、記憶や感情も整理されたとてもクリアな状態。集中力を発揮しやすく、物事を前向きに考えられる傾向があります。前向き思考には、朝、日光を浴びると脳内に分泌される「セロトニン」も関わっています。セロトニンは、神経伝達物質であるドーパミン(喜び、快楽など)やノルアドレナリン(恐怖、驚きなど)などの分泌をコントロールし、精神を安定させる働きがあり、「幸せホルモン」とも呼ばれています。そのため、セロトニンが分泌されると精神が安定し、思考も前向きになるのです。
メリット② 逆算力が身につくようになる朝活をするためには早寝が大切。早く寝ようと思ったら、仕事や家事などを段取り良く行っていかなければなりません。そのため朝活をはじめると、必然的に「何時までに〇〇を済ませる」といった「逆算力」が身につくようになってきます。結果的に、1日のタスクを効率的に進めようという意識が高まり、日常生活がテンポ良く回りはじめます。
メリット③ 行動の成果が出やすくなる学んだことをその日の仕事に活かせたり、ひらめいたアイデアをすぐに試せたり、行動につなげやすいのも朝活ならでは。夜の学びは「明日やってみよう」と思っても、一度寝ると案外忘れてしまいがち。その点、朝は行動までのタイムラグが少ないため実践のハードルが低く、結果もついてきやすいのです。実行して手応えを感じられれば、一段とモチベーションもアップ。そんな好循環が生まれます。
ところで、朝活には「早朝の活動」というイメージを抱いている人が多いかもしれませんが、実はあまり時間にこだわる必要はありません。大切なのは、「充実した1日を過ごすために、朝イチをいい気分にすること」です。仕事が不規則だったり、小さなお子さんがいたりとライフスタイルは人それぞれ。また、朝早く起きるのがどうしても苦手という人もいます。そんなときは、7時でも10時でも、起きた時間に合わせて朝活タイムを作れればOK。本格的な活動の前に1時間、自分を整える時間を持つ。そんなふうにゆるめに考えて、無理をしないことが大切です。
朝活を続けるコツ
継続のためのキーワードは、「うれしい」「楽しい」「気持ちいい」です。いい気分で1日をはじめることが大切なので、自分が好きなことをやるのが正解。ヨガやストレッチ、読書、資格取得に向けた勉強、好きな動画を観るなど、何でもOK。外での朝活もリフレッシュできるのでおすすめです。ホテルで朝食を楽しんだり、朝活イベントに参加したり、ランニングをしたり。神社参拝なども朝から心が洗われて気持ちがいいものです。
また、モチベーションを保つために試してほしいのが、その日の朝活を「松・竹・梅」で評価する方法です。最高の朝活ができたなら「松」、中くらいなら「竹」。「梅」はそれより下の評価ですが、「寝坊したけど、5分ストレッチができた」など、少しでもできたことを数えれば、達成感を得ることができ、やる気が続きます。そして、もし睡魔に負けて起きられない日があったとしても、「二度寝できて幸せ」とポジティブに考え、翌日再チャレンジすればいいのです。
朝時間の充実に欠かせない朝食
おろそかにしてはいけないのが、目覚めのスイッチになる朝食です。朝活の前にしっかりと朝食を摂って胃腸を動かし、心身を活動モードに切り替えましょう。
おすすめはオレンジやレモンなどの柑橘類。柑橘類の香りの成分は、交感神経を刺激し、新陳代謝を活発にします。眠気を覚まして頭をすっきりさせるには、柑橘類がうってつけなのです。ほかには、セロトニンの材料になる「トリプトファン」を含んでいる大豆製品、ナッツ類、乳製品、バナナなどがいいでしょう。トリプトファンは必須アミノ酸のひとつで、体内では作り出せないため食事で摂取する必要があります。セロトニンを生成するには、炭水化物とビタミンB6も必要なため、あわせて摂るようにしましょう。納豆やバナナには、トリプトファンのほかビタミンB6も含まれており、朝食としても摂取しやすいのでおすすめです。
忙しい朝は、メニューはできるだけ時短で用意できるものだと助かりますよね。例えば、大豆やドライフルーツなどが入ったシリアルなら、調理の手間もかかりません。適度に噛み応えのあるメニューなので、脳への刺激にもつながります。そのほか、前日の夕食の残りを活用してもいいし、休日にパンケーキをまとめて焼いて冷凍しておく、惣菜を作り置きしておくなど、無理なくできる方法で朝食を準備してみましょう。
オンラインで広がる朝活スタイル
オンラインが身近になった近年は、アクティビティのトレンドも変化しています。以前はリアルで集うのが当たり前だったイベント、食事会、さまざまな習い事などがオンラインで開催されるようになり、バリエーションはぐんと広がりました。例えばジムに行かずに運動できる「宅トレ」は、カメラをオフにすれば着替えもメイクも不要で参加できます。パンやカレーなどテーマを決めた朝食会なども、画面越しでも楽しく盛り上がります。反対に、オンライン全盛の時代だからこそ、朝1時間だけはデジタル機器をすべてオフにして、ひとりを満喫するという過ごし方も注目されています。
朝時間の活用は人生を豊かにする工夫のひとつ。家と職場の往復では出会えない人と交流する機会もあり、世界はどんどん広がっていくでしょう。また、自分とゆっくり向き合えば、内面も充実します。最高の人生は、最高の1日から。ぜひ挑戦してみませんか。
- <参考書籍>
- ・池田千恵. 「朝1時間」ですべてが変わる モーニングルーティン. 日本実業出版社, 2020.
<監修>
池田千恵
株式会社 朝6時 代表取締役社長/早起きトレーナー