あなたの眠りは大丈夫?眠りのプロに聞く安眠法 ③(全6回)
朝からシャキッと目覚める方法
眠りに関する悩みの中でよく聞くのが、「起きるのがつらい」という声。目覚めが悪いと、体がつらいだけでなく、仕事や家事の効率もダウンします。目覚めの良さは元気のモト。そこで、だる重な朝から抜け出す、頭すっきりメソッドをご紹介します。
眠りに関する悩みの中でよく聞くのが、「起きるのがつらい」という声。目覚めが悪いと、体がつらいだけでなく、仕事や家事の効率もダウンします。目覚めの良さは元気のモト。そこで、だる重な朝から抜け出す、頭すっきりメソッドをご紹介します。
脳に「おはよう!」の信号を送る
"耳もみじゃんけん"
耳には多くのツボがあると同時に、耳をもむことでぽかぽかして体温が上昇し爽やかな目覚めが後押しされます。そこで起きる時間になったら、下図のように耳をマッサージしてあげましょう。回数の制限はないので、頭がすっきりとした感覚が得られるまで続けてみてください1)2)。布団の中でできるので、目覚まし時計に無理やり起こされても目が開かない、二度寝してしまうという方にピッタリな目覚めのルーティーンです。
①グー
耳の上下がくっつくように耳を丸める。
②チョキ
人差し指と中指で耳の根元をはさんで上下に動かす。
③パー
耳の周りをつまみ、上・中央・下の順に外側に引っ張る。
時間があるときは
"グーパー運動"をプラスして
もう1つ、布団の中で行える目覚めのルーティーンをご紹介。簡単な運動なのですが、全身の血行を促すので、"耳もみじゃんけん"とセットで行えばさらにシャキッと起きやすくなります。最初は耳だけ、次は手足、全身と、少しずつ体を動かすことで徐々に目が冴えてくるのが実感できるはず。毎朝の目覚めの習慣で血行も促進して、全身の細胞を元気にしてあげましょう2)。
①仰向けに寝たまま、手の指、足の指を握ったり開いたり、グーとパーを30回ほど繰り返す。
②全身で大きく伸びをして終了。
太陽光でセロトニンを分泌
&活動モードにスイッチオン!
朝シャキッと目覚めるには、起きたらまずカーテンを開けて太陽の光を浴びることが大切です。具体的には、起床後すぐにカーテンを開け、窓のそば(1m以内)で15秒ほど光を目に入れると良いでしょう。家族を起こしたくないから、と薄暗いままで朝の仕度をしていては、頭も重く体もだるいまま。しかも、光を浴びないまま起きて1日を過ごすと、睡眠をつかさどるメラトニンが増えず、眠りの質まで悪くなるのです3)4)。
その仕組みをご紹介しましょう。朝になり太陽の光を浴びると「体内時計」がリセットされ、約14~16時間後に眠気のスイッチが入る準備が整います5)。さらに、睡眠をつかさどるメラトニンの分泌がストップし、元気の源・セロトニンが分泌されるようになります。セロトニンは太陽の光を目から取り込むことで活発に分泌され、体を"お目覚めモード"に切り替えてくれます。しかも夜になるとセロトニンは"お眠りモード"のメラトニンが生合成されるための原料となるので、日中、太陽の光を浴びてセロトニンがしっかり分泌されるほど、夜に睡眠をつかさどるメラトニンが増え、眠りの質が良くなるのです3)4)。
光を浴びることを意識して。
朝シャキッと目覚めることは、快眠にもつながります。朝の生活習慣にぜひプラスして質の良い睡眠を手に入れましょう。
このシリーズ(全6回)の他の記事を読む
- 1)友野なお. 毎朝、目覚めるのが楽しみになる大人女子のための睡眠パーフェクトブック. 大和書房, 2017, p.100-101.
- 2)友野なお. ねこ先生クウとカイに教わる ぐっすり睡眠法. KADOKAWA, 2018, p.98-99.
- 3)友野なお. ねこ先生クウとカイに教わる ぐっすり睡眠法. KADOKAWA, 2018, p.92-95.
- 4)友野なお. 眠るだけビューティー法則 眠活 1日9時間のキレイの近道"睡眠美容術". 中央公論新社, 2011, p.30-31, p.90-91.
- 5)野井真吾, 鹿野晶子. 子どもにおけるメラトニン分泌パタンの予測変数の検討. 発育発達研究 第80号, 2018, p.9-16.
<監修>
友野なお
睡眠コンサルタント/(株)SEA Trinity代表取締役/日本公衆衛生学会/日本睡眠学会/日本睡眠環境学会 正会員/産業心理カウンセラー