残ったフランスパンをとびきりおいしくいただく方法を紹介します。
バゲットが残ったら、迷わずラスクに。おやつにもおつまみにもなります。
ガーリックラスクは薄くスライスすれば、カリッと軽い食感に仕上がります。2種類作るときは、香りが移るので別々に焼きましょう。
硬くなったパンだからこそおいしくできる、パンで作るイタリア風のおかゆ。
「パッパ」は「おかゆ」、「ポモドーロ」は「トマト」の意味。トスカーナ地方に伝わる料理です。
彼は絶対、怒っている。
全然気にしてないよ、といいながらも朝から私と顔を合わさずにソファで小説を読んでいる。
私にはわかる。彼の唇が微妙にこわばり、前に出ているのを。
その口元が彼の怒りが今も静まってないことを証明している。朝から曇り、気温もあまり上がらない。寒さと気まずい雰囲気が二人の部屋を包む。
何より、空腹は怒りを増大させる。
昼前のこの中途半端な時間にはブランチとしてパッパ・アール・ポモドーロを作る。
弱火ですりつぶしたニンニクをオリーブオイルでゆっくりと炒める。時間をかけて、ニンニクの香りをオイルに染み込ませる。ホールトマトとブイヨンを加え、煮込んだ後にちぎったフランスパンを入れる。
パッパ・アール・ポモドーロ。
聴きなれない料理だけど、トスカーナで言えばトマトのおかゆ。パンがお米と言ったところ。初めて彼と話したバールでおいしそうに食べていたのを、覚えているから今日は作りたかった。
怒りの理由はわかっている。昨夜の女子会があまりにも楽しく家で待っている彼に、連絡をしなかった事。
満腹は平穏を取り戻させる。食後には必ず笑顔の二人になれるはず。
そんな期待を込めて、彼に声をかける。