魚介とパンの相性は?
フランスの定番サンド「ジャンボン・ブール」はハム&バターサンドで、ベトナムの「バインミー・ティット」はパンと肉の意味。そしてサンドイッチの発祥であるイギリスでサンドイッチ伯爵が食べたサンドイッチも、パンに肉をはさんだものでした。サンドイッチといえば、まず、肉(及び肉の加工品)をはさむのが定番中の定番と言えそうです。
「パンと肉」から始まった連載も、今回で最後。
初回の肉に対して、最後は魚介です。さて、魚介とパンは、そもそも合うのでしょうか?
フランスの定番サンド「ジャンボン・ブール」はハム&バターサンドで、ベトナムの「バインミー・ティット」はパンと肉の意味。そしてサンドイッチの発祥であるイギリスでサンドイッチ伯爵が食べたサンドイッチも、パンに肉をはさんだものでした。サンドイッチといえば、まず、肉(及び肉の加工品)をはさむのが定番中の定番と言えそうです。
「パンと肉」から始まった連載も、今回で最後。
初回の肉に対して、最後は魚介です。さて、魚介とパンは、そもそも合うのでしょうか?
魚介類は肉と比べると、あっさりしています。
思い浮かべてみてください。お刺身をごはんにのせるだけでもおいしい丼になりますが、パンにのせるだけだと物足りなくないでしょうか。ここに例えば、オリーブオイルを少しかけると、パンとお刺身のバランスは俄然よくなります。カルパッチョとパンはよく合いますものね。
スペイン・サンセバスチャンのバルでも、オリーブオイルでマリネしたフレッシュないわしやたこ、えびのタパスをパンと合わせてつまんだことを思い出しました(写真①、②、③、④)。
フレッシュな魚介とオリーブオイルの組み合わせもいいですが、オリーブオイルで煮込んだ魚介のおいしさもたまりません。
魚介の旨みがとけ出したオイルをパンにたっぷり吸い込ませると、止まらないですね。魚介とオリーブオイルは、おいしすぎてちょっと危険な組み合わせかもしれません。
ここでは手軽に作れるよう切り身魚を使いました。慣れてきたら、ぜひ尾頭付きで1尾まるごと作りましょう!その場合は、うろこと内臓を取ってよく洗い、水気をしっかりと拭き取ってから、表面だけでなく、お腹の中にも塩、白こしょうをしましょう。
ふっくらと煮えた魚介のおいしさはもちろんのこと、素材の旨みがとけ出したスープも美味。パンをスープに浸しながらいただくのが最高で、ついついパンを食べ過ぎてしまいます。
パンはチャバッタやフォカッチャなど、やっぱりイタリアパンがよく合います。フランスパンに比べると控えめな印象のイタリアパンですが、イタリア料理と合わせるとその持ち味が生きてきます。
アヒージョ(ajillo)とはスペイン語でニンニクのこと。ニンニクとオリーブオイルで食材を煮込んだ料理のこともアヒージョと呼ばれます。気軽に作れるおいしいおつまみなので、日本でも人気です。
メインの食材そのもののおいしさもさることながら、一番おいしいのは、食材の旨味が溶け込んだオリーブオイル。なので、この料理にはパンが欠かせません!
おいしいオイルをパンにしっかりと吸わせて、最後まで楽しんでください。
ニンニクと唐辛子は焦がさないように!オリーブオイルがたっぷりなので、火加減に注意しながら香りを引き出しましょう。
魚介を入れてからも、煮立ってからは弱火にしてやさしく火を入れます。
アヒージョはオイル煮です。オリーブオイルが少ないと、オイル炒めになってしまうので、足りない場合は足してください。
また、オリーブオイルが残った場合は、炒めものやパスタに使って最後まで楽しみましょう!
魚介とパンに合うのは、オリーブオイルだけではありません。バターだって、魚介とパンのおいしさを構成する重要な食材です。
フランスのレストランで生牡蠣(写真⑤)を頼むと、必ず添えられるのがライ麦パンと無塩バターとエシャロット入りの赤ワインビネガー(写真⑥)です。
生牡蠣には、まずはレモンをキュッと絞り、さらにエシャロット入りの赤ワインビネガーをかけます。牡蠣自体が塩を含んでいるので、酸味を添えるだけで、しっかりと締まった味わいとなります。ライ麦パンには無塩バターをたっぷり塗って、牡蠣をのせて、タルティーヌにして一緒にいただいてもいいですし、牡蠣を頬張りながら、パンをかじっても。ライ麦の特有の風味や酸味が牡蠣とマッチして、バターのコクのあるふくよかな味わいが広がります。
フォカッチャやチャバタにはオリーブオイルが合いますが、ライ麦パンにはバター。そして、生牡蠣には、やっぱりライ麦パンとバターとの組み合わせがマッチします。「油」をプラスするのがおいしさのポイント、納得の味わいです。