これって五月病?頑張り過ぎかなと思ったら… ②(全3回)
太陽の光を浴びる、睡眠の質を上げる…五月病にならないために大事なこと【医師に聞く】
新年度を迎えて新しい環境で張り切っていたものの、ゴールデンウィークを過ぎた頃から「やる気が出ない」「気分が落ち込む」という症状があらわれる、いわゆる「五月病」。実は正式な医学用語ではなく、医療機関では「適応障害」「軽度のうつ」と診断されることもあります。
「もしかして五月病かな?」と思ったときの対処法は?また、五月病にならないために大事なことは?内科医の近藤千種医師に聞きました。
新年度を迎えて新しい環境で張り切っていたものの、ゴールデンウィークを過ぎた頃から「やる気が出ない」「気分が落ち込む」という症状があらわれる、いわゆる「五月病」。実は正式な医学用語ではなく、医療機関では「適応障害」「軽度のうつ」と診断されることもあります。
「もしかして五月病かな?」と思ったときの対処法は?また、五月病にならないために大事なことは?内科医の近藤千種医師に聞きました。
「五月病」はどんな症状?どんな人がなりやすい?
── 五月病はそもそもどんな症状のことを指すのでしょうか?
近藤千種医師(以下、近藤):入学や就職など4月に新生活がスタートしたものの知らないうちにストレスが溜まり、気づかないうちに無理をして適応障害を発症している場合があり、これを「五月病」といいます。新しい環境で生活してちょうど1ヶ月たった頃に体がだるい、不眠、食欲がない、気分が落ち込む、物事がいい方向に考えられないなど心身に症状があらわれます。
ただ、最近は必ずしも4月に新生活がスタートするとは限りません。季節に限らず、転職や異動など新しい環境でストレスを溜めてしまって発症する場合もあります。また、コロナ禍で新しい生活様式に変わった、テレワークをしていたけれど出勤するようになったなど、環境が変わったことで発症する人もいるかもしれないですね。
「決まった時間に起きて太陽の光を浴びる」五月病にならないための生活習慣
また、テレワークだからといってずっと部屋着でいたり、ダラダラしたりすると生活リズムが狂って睡眠の質が下がってしまうことも。睡眠障害が続くことでうつ病を発症する場合もあるので、睡眠の質を上げるためにも、アロマを焚いたり、リラックスできる音楽をかけるなど、寝室にこだわるのもおすすめです。
あとは、スマートフォンやパソコンなどを寝室に持ち込まないことも大切です。スマートフォンやパソコンが放つブルーライトは太陽の光に近い性質のため、脳がブルーライトを太陽の光と誤認識して覚醒してしまうからです。
ほかに有効なのは、適度な運動や趣味に打ち込むことです。緊張を和らげ心も体もリラックスさせることができます。また、幸せホルモンであるセロトニンは、食べ物からしか摂れないトリプトファンという必須アミノ酸からつくられます。必須アミノ酸を含む20種類のアミノ酸で構成される「たんぱく質」をしっかり摂れるような食事を心がけましょう。
特にここ数年は、コロナ禍で会食が制限されていて、親しい人とおいしいものを食べる機会が減ってしまったこともメンタルヘルス的には良くない影響がありました。おいしいものを食べて楽しい時間を過ごすことは、五月病を予防する観点からも大事だといえます。
「もしかして五月病?」と思ったら…
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<監修>
近藤千種
内科医/抗加齢医学会認定専門医/Mrs ECO International 2019 日本代表/Mrs.Universal 2020/2021 日本代表/2022 ミセス・グローバル・アース準グランプリ受賞