LESSON
6
テーマ:かつサンド基本のかつサンドとアレンジ
サンドイッチは物足りない……とは言わせません。食パンで作るサンドイッチの中で、ダントツの食べ応えがあるのがかつサンドではないでしょうか。
日本の洋食の歴史とともに生まれたかつサンドは、日本ならではのサンドイッチです。西洋料理に由来するカツレツが薄くたたいた肉で作るのに対して、日本で生まれたとんかつは厚みのある肉で作るのが特徴です。厚切り肉をたっぷりの油で揚げるのは、天ぷらに通ずる日本独自の調理技術だそう。厚切りだから揚げ時間は長いし、慣れないと揚げ加減も難しい。だからこそ、手作りのおいしさは格別です。
サンドイッチのためだけに、とんかつを揚げる。サンドイッチラバーには至福のひとときになるでしょう!
かつサンドを初めて作るなら、厚切りのロース肉を使ったボリューム感あるタイプがおすすめです。手作りならではの贅沢なおいしさをたのしめます。また、かつサンドの主役はとんかつですが、とんかつ以上に重要なのがソースの存在。ソースによってとんかつとパンが一体化するのです。ソースがあってこそ、とんかつは輝けるのです!基本のレシピを試した後は、好みのバランスを追求していきましょう。
とんかつ用の豚肉は厚めのものを使い、肉たたきでたたく時に、パンのサイズに合わせて伸ばすようにすると、やわらかくしながらサイズも調整できます。冷蔵庫から出したてではなく、30分程度常温において室温に戻すのもポイント。肉が冷たいと中心温度が上がるまでに時間がかかりすぎてしまいます。また、下味の塩と白こしょうも大切です。気持ちしっかりめにつけておくと、肉のおいしさが引き立ちます。
スーパーの棚にはいろいろなソースが並んでいます。これ!というお好みのソースがあれば、そちらをベースに調整してみましょう。
パンに合わせる時は、はちみつを加えてちょっと甘めにするのがおすすめです。はちみつとケチャップが合わさることで、パンとの味馴染みがグンとよくなります。
さらに、すりごまも忘れずに。香りとコクがプラスされて、専門店のおいしさに変身します。
かつサンドのおいしさは、たっぷり染みたソースにあります。ちょっと多すぎるかな?というくらいで大丈夫。作りたてはもちろん、時間が経って、衣とパンにソースが染み込んだおいしさも格別です。時間差で味の変化もたのしんで!
手作りならではの厚めのとんかつには、パンも厚切りで。4枚切りの食パンをサンドイッチに使うことは少ないのですが、かつサンドだけは別です。厚切りの肉、そこにたっぷり染み込んだソース。厚切りだからこそ、この味わいを受け止められるのです。
ただし、パンはフレッシュなものを使いましょう。パン屋さんから買ってきたばかりのふんわりしっとりした食パンで作るからこそのおいしさを、耳つきでじっくりと味わってみてください。
アレンジ編は、とんかつにおろしポン酢を合わせた、さっぱりといただける和風サンド。ソースとはまた違ったおいしさで、こちらも捨てがたいものです。夏場には冷やしてもなかなかの味わい。おろしポン酢は、お好みでサンドイッチにのせながらいただいてもいいですね。
ソースたっぷりのかつサンドに比べると、おろしかつサンドはあっさりやさしい味わいです。パンは少し薄めで、焼かずにそのまま使うことで、おろしポン酢の繊細な味覚とマッチします。おろしポン酢には、とんかつごまソースのような粘度がないので、かける量には注意が必要。衣とパンに染み込んだところがおいしさである一方、量が多すぎると仕上がりが水っぽくなってしまいます。とんかつにかける量は控えめにし、上にのせながらいただくのもおすすめです。