奥が深いオリーブオイルの世界の序章を勉強した#01。基礎知識を元に、#02では実際にオリーブオイルとパンを合わせていざ実食!オリーブオイルソムエリエ®の阪田友也さんがオリーブオイルを、パンラボ池田浩明がパンを持ち寄り、おいしい組み合わせを探求していきます。
日本オリーブオイルソムリエ協会認定 オリーブオイルソムエリエ®。
日本最大のオリーブオイルコンテスト「Olive Japan」で、2度「オリーブ男子」に選出。
オリーブオイルの風味官能評価技術を競う2017年「オリーブオイルソムリエ®コンクール」で3位入賞。
株式会社グルメ・リパブリックでオリーブオイルの販売を手がける。
http://gourmet-republic.co.jp
バゲットはあらゆるオリーブオイルと合う!
1番 ナッツ・アーモンド(スペイン・カタルーニャ産)
2番 桃・マンゴー(アメリカ・カリフォルニア産)
3番 ゴーヤ(イタリア・プーリア産)
4番 オリーブの果実・フルーツ(日本・小豆島産)
池田浩明
今日はパンをいくつか買ってきたので、オリーブオイルに合わせて食べてみましょう。まずは、プレーンなバゲットから(ル パン ドゥ ジョエル・ロブションのバゲット・クラシック)。
阪田さん
バゲットにつけたら味わいがどう変わるかやってみてください。
池田浩明
オリーブオイルだけ味わうときより、もっと香りがしてくる。不思議だ!
阪田さん
小麦粉の香りもふわ~っと鼻から抜けてくるし、飲みこんだあとも、小麦粉の甘みと香りがもう一度戻ってくる。オリーブオイルエレベーターみたいな。
池田浩明
戻ってきますね!甘みとか香ばしさとか、すごい爽やか。バゲットの魅力を引き出してくれますね。
阪田さん
ただでさえおいしいパンだと余韻が長いと思うんですけど、オリーブオイルが加わることによって試合の延長戦というか、もっと長ーく試合を楽しめる。
池田浩明
1番のほうがストロングじゃない分、寄り添ってくれますね。3番は自分をばーんと主張してくるんだけど、逆にそのコントラストでパンの個性も引き出してくれる。2番は桃っぽいし、バターみたいな甘さが出てきましたね。バゲットは小麦と塩と酵母と水で作られる、もっともシンプルなパンなので、いろんなタイプの食材と合わせやすいんですよ。
阪田さん
「シンプルなパンとオリーブオイル」といえば、パン コン トマテ(Pan con tomate)。1番の生産地のスペイン・カタルーニャでは、パン コン トマテがもう本当においしくて。熟れたトマトとにんにくをお好みでパンにすり込んで、オリーブオイルと塩をかけていただくっていう食べ方をする。それが郷土料理なんです。
池田浩明
うまそー!
チョコのパンには桃風味のオリーブオイル!
池田浩明
ゴンノベーカリーマーケットのロデヴを買ってきました。ロデヴは水分量の多いフランスパンで、ゴンノベーカリーのはチョコが入っているめずらしいタイプなんです。
阪田さん
チョコレートに合うのはきっと1番のナッツ・アーモンドか、2番の桃・マンゴーがトロピカルな味わいのチョコレートパンに変化するのかなーと。
池田浩明
1番(ナッツ・アーモンド)は余計ヒリヒリ感がするようになりました。
阪田さん
2番(桃・マンゴー)はどうですか?
池田浩明
おもしろいです! なんかまろやかになりますよね。
阪田さん
ですね。するっと入ってくる感じがします。ちょっとミントみたいな、青さが加わるのもおもしろいですね。
池田浩明
ゴンノベーカリーのロデヴのレーズンとくるみも試してみましょう。
阪田さん
1番だと喧嘩しちゃうんですけど、2番のほうは…。
池田浩明
甘い! フルーティになりますね。
阪田さん
オリーブオイルと合わさることで、小麦の甘みがよりダイレクトになりますね。
池田浩明
しかもレーズンの果汁もそこに合わさってて。
あんぱん×オリーブオイルの衝撃!
池田浩明
あんぱん(アンデルセン)いってみましょう。おー、そんな贅沢にオリーブオイルをかけるんですね!
阪田さん
1番はあんことめちゃめちゃ相性がいいんですよ。僕もこのペアリング、考えてもらったんですけど!
池田浩明
これ、めちゃくちゃうまいんだけど! くるみあんぱん食べてるみたいです!
食パン×しらす×オリーブオイル×醤油が爆発!
池田浩明
食パン(ゴンノベーカリーの国産小麦粉のナチュラルトースト)にはなにが合うかは、気になるところですね。
阪田さん
1番のオリーブオイルに醤油をすこし入れて、コップの中でよく混ぜて、一口飲んでみてください。
池田浩明
これめちゃくちゃうまいですね! 香りもいいし、さわやかなコクもあるし。これだけでドレッシングになりますね。
阪田さん
1番はアルベキーナという品種のオリーブオイルですが、醤油と合わせるとおいしいドレッシングのできあがり! 食パンにしらす干しをのせて、さらにこのドレッシングをかけてみましょう。
池田浩明
おぉ、合うなあ! アヒージョを食べてるみたいな感じ。
阪田さん
食材とオリーブオイルの相性がいいからなんですよね。小麦粉の甘みとしらすのさわやかな磯っぽさと。これをパンではなくパスタを作る材料とすればオイルベースのしらす干しのパスタになるし、そのままでも白ワインのつまみになります。のりを加えてみたり、さらに山椒や七味をかけてアレンジしてもおいしいと思いますよ!
池田浩明
もしオリーブオイルがなくて、醤油としらすだけだったらご飯みたいになっちゃうと思うんですよ。パンと喧嘩したと思うんですけど。オリーブオイルがあるからうまく接続してくれる。
阪田さん
食材と食材のつなぎ役(触媒)としても活躍できるんですよね。さっきまではパンとオリーブオイルの相性だったと思うんですけど、今度はパンと醤油としらす干しを仲良くさせる役割。
池田浩明
そうですね。パンと具材をつないでハッピーにしてくれてますよね。
オリーブオイルソムリエの独自の視点から、パンとの相性やおいしさの可能性をさらに広げていただきました。オリーブオイルは料理の「調味料」「食材の引き立て役」「食材と食材のつなぎ役」として幅広く活躍できるとのこと。一口にオリーブオイルと言っても、その多種多様性からパンとの組み合わせはまさに無限大。自分だけのハッピーメニューを見つけられそうです!
今回の試食でも使用した4番「 オリーブの果実・フルーツ(日本・小豆島産)」の生産元に行けるオリーブオイルツアーを開催いたします。
ぜひ、パンを片手に小豆島へ!
「小豆島わくわくツアー」 主催:株式会社グルメ・リパブリック
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