世界は、(ほぼ)粉でできている。
身の回りのさまざまなものは、実は粉体によって支えられています
日清エンジニアリングの粉体技術は、小麦の製粉をルーツとしています。
粉体技術とは、粉末を細かく砕く「粉砕」、粉粒子の大きさを精密に分ける「分級」、複数の粉末を均一に混ぜ合わせる「混合」、粉末を舞い上がらせて固着を防ぐ「流動化」など、さまざまな操作を組み合わせることで、粉末からつくられる最終製品の機能、性能、形状、触感(食品なら食感)などを変化させる技術です。
粉体技術が使われている製品は、もちろん小麦粉だけではありません。実は、化粧品、薬、建物や道路のコンクリート、ペットボトルなどのプラスチック、スマートフォンや車の電子部品など、身の回りのさまざまなものが、粉体技術によって支えられています。
いずれも「粉」のイメージからは遠いかもしれませんが、例えば化粧品なら、ファンデーションがパウダー状であることを思い出していただければ、ご理解いただきやすいのではないでしょうか。また、道路のコンクリートも粉末状のセメントを水で溶かして固めることでつくられ、プラスチックも粉体の原料から成形されます。
ご紹介したのはほんの一例で、一見粉体とは関わりのなさそうに見えるものも含めて、世の中のさまざまななくてはならないものに、粉体や粉体技術が使われています。これこそが「世界は、(ほぼ)粉でできている。」という言葉のゆえんなのです。そのため、原料から粉体をつくり出す粉体技術は、世の中になくてはならないテクノロジーとなっています。
粉体の新たな可能性を拓き続けています
「サブミクロン」という言葉をご存じでしょうか。サブミクロンとは、1万分の1ミリ以下の大きさを指す用語。これは非常に小さく、光学顕微鏡での測定が困難と言われています。日清エンジニアリングは、世界で初めてサブミクロン領域での粒子選別技術「サブミクロン分級」を実現した企業として知られています。それだけではありません。粉体技術を進化させることで、さらに小さなナノメートル(100万分の1ミリ)サイズの粒子である「ナノ粒子」の製造も可能にしています。
そもそも、なぜそこまで細かく粉砕・分級する技術が必要なのでしょうか。その理由は、IoTなどに使用される先端電子材料の原料のほとんどは粉末の状態であり、高度な新素材ほど原料の粉末にも細かく、均一であることが厳しく要求されるからです。
例えば、現代人にとってなくてはならないスマートフォン。画面(液晶材料)、アンテナ(磁性材料)、基盤(粉体樹脂)、フレーム(金属粉体)などなど、あらゆる箇所に日清エンジニアリングのナノ粒子技術が生かされています。また、粉体は、電気自動車でも、モータ(磁石材料)、エンジン部分(金属粉体)、ボディ(粉体塗料)、排気装置(複合酸化物)など、こちらもさまざまな場所に活用されています。中でも注目したいのが、スマートフォンと電気自動車、両方に使われている二次電池(充電して繰り返し使える電池)。現在の暮らしに欠かすことができない存在となっているこの電池の材料にも、日清エンジニアリングの粉体技術が使われています。
このように、日清エンジニアリングは高度な粉体技術を用いて、粉体の新しい可能性を模索し続けています。
時代ごとに変わる、人や社会にとっての「なくてはならないもの」を探し、つくり、あらゆる人のもとへ
日清エンジニアリングでは、粉体事業と並ぶコア事業として「プラントエンジニアリング事業」も行っています。プラントエンジニアリングとは、プラント(工場)建設の企画・設計・調達・工事・保守などに関する業務のこと。多くの粉体食品プラント建設を通じて培った技術と経験を生かして、食品工場の他、化成品や金属、電子材料の製造工場も手掛けています。
プラントエンジニアリング事業の特徴は、売上の約9割がグループ外のプロジェクトであること。食品工場や化粧品工場、化成品工場などのプラント建設や機器提供を行うことによって、クライアント企業が、時代のニーズに応える製品をあらゆる人のもとへ届けることを支えています。また、半導体材料など電子材料を取り扱う粉体機器を開発・提供することで、時代の先をいく製品の製造にも貢献しています。
こうしてプラントエンジニアリング事業を通してさまざまな企業を支えることで、時代ごとに変わる、人や社会にとってのなくてはならないものを、あらゆる人のもとへ届けています。