緑色が美しい春キャベツは、旬の食材の中でも特に好きなもののひとつです。庶民的でリーズナブルなのに、ちゃんと調理すると、ハッとするおいしさになります。
そんな春キャベツの食べ方で、一番好きなのがこちら。オリーブオイル蒸しにしたものです。ちぎったキャベツを鍋に入れ、アンチョビも加えて、塩こしょうを少々。オリーブオイルをかけたら蓋をして加熱するだけ。簡単調理で甘みが増し、ついつい食べ過ぎてしまう程です。それを、オリーブオイルとキャベツの水分が合わさった蒸し汁ごとトーストにのせると、たまらなく美味。
これはもう、手をベトベトにさせながらほお張っちゃってください!
ポイントは、密閉性の高い厚手の鍋を使うこと。我が家ではフランスのストウブ社の小ぶりな鍋を使っています。
材料を入れたら、初めは強火にかけましょう。ジュージューと音がして、蓋の隙間から蒸気が出てきたら、蓋を開けてさっと混ぜます。この時、底面のキャベツに焼き色がつくくらい火が通っていれば火を弱め、焼き色がついていないようなら強火のまま蓋をしてさらに加熱します。
強火で短時間で仕上げることで、水っぽくなく、程よい食感を残しながら、春キャベツの甘みをしっかり感じられるはずです。
甘みの強い春キャベツはビタミン類が豊富。“ビタミンU”は胃酸の分泌を抑え、胃の粘膜の保護に効果的です。“ビタミンC”は水溶性ですが、蒸し焼きにして蒸し汁もいただくことで無駄なく摂取できるでしょう。また、旨み成分“グルタミン酸”も含まれているので、加熱すると旨みもUPします。
管理栄養士 鈴木あすな