ヨーロッパで春を感じさせる食材といえば、なんといってもホワイトアスパラガス!私も大好きで、春にヨーロッパを旅する時は、レストランや総菜店で食べ比べるのがたのしみのひとつです。たくさんある食べ方のうち、ホワイトアスパラガスとたまごは鉄板の組み合わせ。茹でてもいいけど、焼いて旨みを閉じ込めてもなかなかです。
ホワイトアスパラガスとグリーンアスパラガスは、実は同じ品種。土をかぶせて日に当てずに育てると白くやわらかくなり、日光を浴びさせると葉緑素が作られて緑に色づきます。それぞれにおいしさがありますが、栄養価が高いのはグリーンアスパラガスの方です。
ここでは、そんな栄養たっぷりで気軽にたのしめるグリーンアスパラガスをオープンサンドにしてみましょう。ベーコンとパルメザンチーズで旨みを補強し、とろーり半熟のポーチドエッグをソースに。黄身をパンとアスパラガスにからめながらいただくのがたまりません!グリーンとホワイト、両方で試してみたくなりますね。
イタリアを代表する硬質チーズ・パルメザンは、正式にはパルミジャーノ・レッジャーノと言います。粉末状になった市販の「粉チーズ」や「パルメザンチーズ」で代用することもできますが、塊が手に入るならピーラーでスライスしてみましょう。薄くてもろいので、手で触るとポロポロと崩れますが、そのままトッピングすればOK。細かな粉末状と違い、存在感が際立ちます。アミノ酸の結晶のシャリシャリした食感と、芳醇な香りをたのしんでみてください。
手間がかかりそうに見えますが、茹で時間が短いので、実は茹でたまごよりも手早く作れます。
ポイントは、湯の中に酢を多めに加えること。酢の凝固作用で、白身が散らばらずにまとまります。茹で時間はタイマーできっちり計るとブレがありません。茹でている間に氷水の用意も忘れずに!素早く冷水にとることで温度が下がり、余熱で黄身が固まるのを防ぎます。キッチンバサミで余分な白身を切って、形よく仕上げましょう。ペーパータオルで水分を拭きとって完成です。
パンにのせたら、ポーチドエッグの上にだけ塩と黒こしょうを少々。程よい塩味でたまごのおいしさが引き立ちます。
ベーコンは、そのまま食べるハムと違って、本来は料理の副素材であり、調味料や出汁素材として使われるもの。塩分が多いのもそのためです。
日本では加水して糖分を添加したタイプが多いですが、ハムのようなマイルドな味わいのものは、料理に使うと味がぼやけがちです。手に入るなら、糖分を添加せずに塩と香辛料だけを使った、旨みが凝縮されたタイプを使ってみてください。アスパラのおいしさもグンと引き立ちますよ。
グリーンアスパラガスにはアミノ酸の一種である“アスパラギン酸”が含まれています。“アスパラギン酸”には新陳代謝を促す働きがあるため、疲労回復効果が期待できるでしょう。また、穂先には“ルチン”が含まれており、血管強化作用や抗酸化作用があるといわれています。
管理栄養士 鈴木あすな