りんごの季節になると必ず作る、大好きな組み合わせ。りんごとカマンベールのサンドイッチは我が家の定番メニューです。
15年以上も前でしょうか。フランスでチーズのテイスティングの研修を受けたことがあります。そこで印象的だったのが、テイスティング時に必ず「青りんご」が添えられること。ワインのテイスティングでは必ずバゲットが添えられますが、チーズの場合はりんごなのだそうです。口の中に残ったチーズの余韻がりんごの酸味で洗い流され、味覚がニュートラルな状態に戻るからだと聞き納得。おいしくてついつい食べ過ぎてしまったことを覚えています。
濃厚でコクのあるカマンベールは、そのままだと少し重く感じることもありますが、りんごと合わせると口の中のまったり感が洗い流され、すっきり爽やかな後口に。バターがしみ込みほんのり温まったりんごと、とろけたチーズのバランスが絶妙な、大人女子好みのオープンサンドです。
カマンベールとりんごの組み合わせはビジュアルも素敵!ですが、りんごの切り方を間違えると残念な仕上がりに。まず、一瞬で「りんご」とわかるよう、皮は残しておきます。次に、真ん中の芯(種)の部分が入らないように縦に切ったら、断面を下にしてまな板に置き、薄くスライスしましょう。
りんごは酸味のあるタイプがおすすめです。私は、酸味と甘みのバランスが程よいジョナゴールドか紅玉をよく使います。
フランス・ノルマンディー地方発祥の伝統的な白カビチーズであるカマンベールは、正式名称を「カマンベール・ド・ノルマンディー」といいます。この名称を名乗れるのは、限られた地域でいくつものルールを守って作られたものだけ。それを模した白カビチーズが、今は世界中で「カマンベール」として作られていますが、その味わいは様々です。
本格的なフランスのカマンベールが濃厚で力強い味わいであるのに対し、コンビニ等でも手に入る国産品はクセがなく、比較的あっさり味。おすすめは本格的なタイプ!お値段もお高めですが、ぜひ食べ比べてみてください。
今回はカマンベールを使っていますが、カマンベールよりも大きく作られる「ブリー」でもOKです。こちらもワイルドなものからマイルドなものまで個性がいろいろなので、好みの味を探してみて!
ビジュアルはもちろん、味の重なりがポイントなので、具材を丁寧に重ねましょう。
まず、りんごの上にスライスしたバターを。トーストしている間にバターが溶けてりんごにしみ込み、風味豊かに焼き上がります。りんご+バターの上には、スライスしたカマンベール。ここまでを一組として、食パンの上に三組を重ねながら並べます。そこにはちみつをたらり、くるみをぱらり。そしてトースターへ。カマンベールがとろりと溶け出してきたら完成です。
それぞれの食材の個性を感じさせながら、咀嚼するごとに口の中で混ざり合っていく様がたまりません!