外ごはんの時に見つけたら必ず頼んでしまう…そんなメニューNo.1はバーニャカウダかもしれません。といいながら考えてみると、友達を招いての家ごはんの時に必ず作るメニューもバーニャカウダ。要するに、私にとって好きの度合いがかなり高いメニューなのです。
バーニャカウダはイタリア北部、ピエモンテの冬の郷土料理です。バーニャはソース、カウダは温かいという意味で、にんにくとアンチョビの効いた「温かいソース」に野菜をつけていただきます。
人気の理由はなんといっても野菜がおいしくいただけるから。でも野菜だけではもったいない!実は、パンをおいしくいただけるソースでもあるんです。
オープンサンドにする時の野菜はお好みで。冬ならブロッコリーとカリフラワーを基本に、お好みの野菜をプラスしてもよいでしょう。ソースを作るのにひと手間かかりますが、そのひと手間こそがオープンサンドをワンランク上のおいしさにしてくれます。
バーニャカウダはイタリア語で温かいソースという意味なので、バーニャカウダソースというと温かいソースのソースとなってなんだか微妙ですが、料理としてのバーニャカウダと区別する為に、ここではあえてこう呼びます。
にんにく、アンチョビ、オリーブオイル、生クリーム、材料はこれだけです。シンプルだからこそ、作り方や分量で味の印象が大きく異なります。一番のポイントはにんにくの下ごしらえ!芯を取り除き、牛乳と水を半量ずつ合わせた小鍋に入れて、コトコト弱火で30分煮ます。こうすることでにんにくの刺激が和らぎ、ほっくりとやさしい味わいに。指先でつまむとつぶれるくらいやわらかくなるので、包丁でたたくだけで滑らかになりますよ。
多めに作って保存したい場合は、生クリームを加える前の状態で清潔な保存瓶に入れて冷蔵するか、ジッパー付きのビニール袋等に入れて冷凍保存しても。生クリームを加えたら3~4日以内に使い切りましょう。
カタクチイワシを三枚におろし、塩漬け→熟成・発酵→オイル漬けにしたもので、はっきりした塩味と、コクのある旨みが特徴です。そのままいただくには塩辛いけど、調味料として使うと塩味と旨みのバランスがなんとも美味。我が家の食卓には欠かせない食材です。
私はそのまま使うことが多いのですが、魚なので、物によっては生臭さが感じられることも。そんな時は、牛乳に少し浸しておきましょう。余分な塩気と臭みが取れて食べやすくなります。
ブロッコリーとカリフラワーは塩茹でもいいですが、ここではより素材感を引き出す為にオイル蒸しにしてみました。
まず、洗って小房に分けたブロッコリーとカリフラワーをざるに上げ、余分な水分を切ってから鍋に入れます。塩と白こしょうを全体にパラパラふり、EVXオリーブオイルをたっぷりかけて蓋をしたら強火にします。素材の水分とオイルが熱せられ、中からジュージューと音がして蓋の隙間から湯気が吹き出してきたら弱火にし、中の様子を確認します。全体を軽く混ぜ、火が通っていればOK。
加熱時間が長過ぎると食感が悪く、旨みが抜けてきます。少し食感が残るくらいにサッと火を通すと水っぽくならず、ほっくりおいしく仕上がります。
ブロッコリーには“βカロテン”や“スルフォラファン”など抗酸化作用のある成分が含まれています。皮膚を健康に保つ役割があり、アンチエイジングにも効果的です。カリフラワーには美肌作りに欠かせない“ビタミンC”が豊富です。“ビタミンC”は熱に弱いのですが、カリフラワーに含まれる“ビタミンC”は熱に強いので、加熱しても損失が少ないのが特長です。また、これらを茹でるのではなくオイル蒸しにすることで、ビタミン類の損失を防ぐことができます。
管理栄養士 鈴木あすな