秋はきのこ!といいつつ、スーパーで手に入るほとんどは、一年中栽培されていて旬はありませんが…。それでも、しみじみとしたきのこの旨みは秋の気候にピッタリの味覚だと思いながら作ったのが、こんなオープンサンド。
同じく秋の味覚の栗を合わせることで、秋らしさ満点。といいつつ、やっぱりいつでも手に入るむき甘栗を使っているので、実は一年中作れます。
さっくり焼いた食パンに、砕いたむき甘栗とバターを合わせた甘栗バターをたっぷり塗って、シンプルなきのこソテーをのせました。ベーコンでスモーキーな香りをプラスするのがポイントです。
仕上げには魔法のスパイス、粗く砕いた黒こしょうを。さらに魔法の調味料、トリュフ塩があればググッとグルメ感がアップします。庶民的・日本的な食パンを使っているのに、赤ワインに合わせたくなるおいしさになりますよ!
ほっくりしたやさしい甘みの甘栗を無塩バターと合わせました。栗ときのこは相性がいいので、きのこがメインのサンドイッチのベースに最高です。きのこをソテーする時に使ってもいいかもしれません。
甘栗は半量を粗く砕き、残りはバターと一緒にフードプロセッサーにかけてしまうのがおすすめ。バターと栗がよく馴染み、粗いものが程よいアクセントになります。
ここではコンビニでも買えるむき甘栗を使っていますが、もし手に入れば、フランスやイタリアの蒸し栗(瓶詰め品。製菓材料店等にあります)を使っても。甘栗と比べると甘さが控えめで、クセになるおいしさです。
ベーコンとバターで炒めたきのこは、塩こしょうだけで旨み十分。きのこはなるべく多くの種類を合わせた方が、味わいに深みが出ます。炒める時は強火で!フライパンが十分熱せられてからきのこを入れましょう。ついついヘラでかき混ぜたくなってしまいますが、ここは我慢。温度が下がると水っぽくなるんです。最初はなるべく触らず、焼き色がついたところで裏返すのがポイント。強火で短時間で仕上げることを意識しましょう。
日本では松茸がきのこの王様ですが、ヨーロッパではトリュフ!生のものは松茸以上に高級だけれど、我が家のような一般家庭でも手が届くのがこちら、トリュフ塩。フリーズドライのトリュフを細かく砕いて海塩と合わせたものです。
トリュフの量はわずかでも、強烈な香りでインパクト大。ごく少量を仕上げにひとふりするだけで、いつものきのこ炒めがフレンチな味わいに大変身。たまごとの相性もいいので、ゆでたまごやオムレツにも合わせてみてください。その香りは動物的ともいわれ好みが分かれるようですが、官能的な香りの魅力の虜になるかも…。
高級スーパーや食材専門店で売られているので、見かけたら試してみて!
きのこ類は食物繊維が豊富で低カロリーなうえに、“ビタミンB2”が脂肪の代謝を助けてくれるので、ダイエット中の方にもおすすめ。“ビタミンD”も豊富で、カルシウムの吸収を高めて骨を丈夫にしてくれます。加熱することで旨み成分がUPするので炒める調理法は◎です。栗に含まれる“ビタミンC”はじゃがいもと同じようにデンプン質に包まれているため、加熱しても壊れにくいのが特長です。
管理栄養士 鈴木あすな