和田りつ子さん
京都放送やJ:COM「みやびじょん」などで活躍するフリーアナウンサー。京都の商店街めぐりと食べ歩きが趣味のひとつ。
総務省の調査(平成20~22年平均)によれば、京都市はパン購入量が全国1位、パン購入額も神戸市に次いで2位なのだとか。京都は寺社仏閣だけでなく実は昔からおいしいベーカリーも多くて、タウン誌などでもたびたび特集が組まれています。今回は、京都で町屋暮らしをしていたフリーアナウンサーの和田りつ子さんとお散歩パンしてきました。
今回のお散歩スポット
SIZUYA(志津屋)衹園店
祇園・八坂神社の前という立地もあって、観光客や外国人のお客さまも多いという志津屋衹園店。手軽に食べられるサンドイッチなどは、できたてを用意する心配りをしているそう。京都では「知らない人はいない」と言われるほどの人気商品『カルネ』をはじめ、京都っ子たちにとって、なくてはならない味がたくさんあります。旬の食材を使って季節ごとに6~9種類ほど並ぶ新商品もたのしみのひとつ。
- 和田さんからひと言
「私のおすすめは定番の『カルネ』を進化させた『ペッパーカルネ』。カリッと派はオーブンで焼いて、ふわっと派は電子レンジで少し温めてどうぞ。ちなみに、京都駅店で買える『SIZUYAPAN』は家紋風の「甘紋」をモチーフにしたパッケージ入りのあんパンで、丹波の黒豆、亀岡の紫イモ、酒粕などバラエティ豊か。お土産にしても喜ばれますよ」
- お店おすすめ
『元祖ビーフカツサンド』
肉厚でジューシーなカツサンドは、芸能人などからも愛されている定番のサンドイッチ。よくテレビや雑誌でも紹介されています。ほかに『ヘレとんかつカツサンド』や『ミックスサンド(ビーフカツ&オムレツ)』もあって、志津屋といえばカツサンドを連想する方も多い看板商品です。女性にはハーフサイズもおすすめ。
『たっぷりクリームパン』
卵黄を惜しみなく使ったオリジナルの濃いクリームがあふれんばかりに入っています。名前のとおりたっぷりクリームだけあって食べごたえも十分。ふわっとした見た目と持ったときのやわらかさ、そして口の中いっぱいに広がるクリームを、ぜひご堪能ください。
京都市東山区祇園町北側291
TEL 075-532-2052
営業時間 8:00~21:00 無休
※詳しくは、ホームページ(http://www.sizuya.co.jp/)をご確認ください。
進々堂
2013年に開業100周年を迎える進々堂。ドイツ式の窯を取り入れて京都で初めてフランスパンを製造販売するなど、昔から京都を代表するベーカリーです。京都市内に12店舗あり、イートインやレストランが併設されているところも多く、京都っ子はもちろん京都への旅行者にもおなじみの味。100周年を記念して、来年はロゴの刷新や古いレシピを復活させた商品なども検討されているそうなので、ますます目が離せなくなりそうです。
- 和田さんからひと言
「市内にたくさんのお店がある進々堂。私も寺町店をベーカリーとしてだけでなく、カフェでの打ち合わせなどでもよく利用しています。家族でゆっくりもよし、一人でほっこりもよし、のお店です。お気に入りは、全粒粉を使用した『全粒生活』シリーズの『パン・オ・レ オレンジ&クリームチーズ』! 香り豊かでちょっとリッチな気分になれますよ。朝食には、『雑穀生活』シリーズから12種の雑穀が入った『マルチミックスブレッド』をどうぞ」
- お店おすすめ
『レトロバゲット1924』
「1924」は創業者・続木斉が本物のパンを学ぶためにパリへと旅立った年。そのときに出会ったおいしいフランスパンを日本に広めたいという熱い思いを受け継ぎ、生まれたのが『レトロバゲット1924』。パリで今いちばんおいしいと評判のフランスパンを徹底分析。それを上回る味に仕上げ、フランス産小麦を使ったバゲットコンクールで準グランプリを受賞したこともある進々堂の自信作です。
『全粒生活』
北海道産の小麦「春よ恋」を独自の技術で製粉して焼き上げた『全粒生活』のシリーズ。水分は牛乳だけを使用してほわっと甘めに、さらに全粒粉を使用して食物繊維や鉄分をたっぷり含んだ女性には特にうれしいパンに焼き上げています。レーズンやチーズ、マカダミアナッツ入りなど種類も豊富なので、毎日食べ比べてみてください。
京都市中京区寺町通竹屋町下ル久遠院前町674
TEL 075-221-0215
営業時間 レストラン 7:30~19:00(LO18:30)
ベーカリー 7:30~20:00
無休
※年末年始については、ホームページ(http://www.shinshindo.jp/)をご確認ください。
まるき製パン所
「ほかのお店とちごて(違って)古くさい店やろ」と笑うのは、なんとも人間味あふれる木元広司社長。町屋を利用したレトロな雰囲気は、まさに京都です。近所の女子学生たちのリクエストに応えているうちに増えたという商品は、『ロールパンサンド』を中心になんと60種類!今でも、「あんこ挟んで」「チョコレート挟んで」と注文があれば、店頭に並んでいない商品をその場でササッと作ってくれます。そのおいしさとスタッフのお人柄が口コミで評判となり、他県からのお客さまも多い人気店です。
- 和田さんからひと言
「まるき製パン所のあんパンやチョコパン、ジャムパンは、見慣れた円形ではありません。なぜならロールパンが使われているから。そして人気のハムロールやエビカツロールにも、定番ロールパンは七変化。木製の味のある看板とスタッフの方々の庶民的な温かさに、きっと癒されます」
- 和田さんおすすめ
『塩パン』
お客さまの多くが買っていくという人気商品。細身に焼き上げられたシンプルなパンは日清製粉の「レジャンデール」という小麦粉を使用しているそうで、ちょっと噛みごたえのある外側と中のもちっとした食感、ほんのりまぶした塩とバターの風味という絶妙のバランスに仕上がっています。大小2サイズから選べるのもうれしいですね。
『ハムロール』
ふんわりとしたロールパンに、ハムとキャベツの千切りを挟んだシンプルさ。ひとつずつの素材の味わいや、薄紙でクルンとラッピングされているところも、どこか懐かしさを感じさせます。そんなところが、老若男女から大人気の理由かも。
京都市下京区松原通堀川西入
TEL 075-821-9683
営業時間 平日 6:30~20:00(売り切れ次第終了) 日曜・祝日 6:30~14:00 年末年始休
Flip up!(フリップ アップ)
早朝から蛸薬師町にとても良い香りを漂わせている「Flip up!」。コンセプトは「フランス的でもドイツ的でもなく、食べたいパン、食べてほしいパンを作ること」と語る宮本伸治オーナー。新作パンのレシピを、「ガテン系の人が午後の空腹を癒す」とか「ダイエットも気になる女性が、それでも甘いものを食べたいときに」などとイメージしながら考えることもあるのだとか。京都の町並みの中にひょっこりと現れる清潔感あるお店の外観もとても魅力的です。
- 和田さんからひと言
「大通りの烏丸通りから少し奥まった場所にあるのですが、一度食べたら必ずリピーターになってしまいます。いつもお客さんが途切れず、夕方には売り切れ続出!ということも。お店オススメでもある『クロワッサンのバナナ仕立て』は、一口食べれば“サクッ、ムニュッ、とろーり”の食感に香りと味わい…思わず笑顔がこぼれちゃいます」
- お店おすすめ
『クロワッサンのバナナ仕立て』
サックサクのクロワッサンの中には、スライスしたバナナとなめらかなカスタードクリーム&アーモンドクリーム、そして甘さを添えるメイプルシロップも。「頑張っている女性のごほうびに…」とのコンセプトで考え出した、食べると元気になれる一品です。
『BAGELチョコレート』
甘みを抑えた酸味のあるチョコレートを吟味して使用しているこだわりベーグル。ボリュームもあるので、「甘いものが苦手の男性にも」と考えたのですが、もっちりとした食感が女性にも大人気です。
京都市中京区押小路通室町東入ル蛸薬師町292-2 SDKビル1F
TEL 075-213-2833
営業時間 7:00~18:00(売り切れ次第終了) 日・月曜休
PANDOLL(パンドール)京都ファミリー店
シックなグリーンの外観が印象的なパンドール京都ファミリー店。実は、京都の学校給食などに使われてきた山一パン総本店が2000年に出したお店です。次々に焼きたてのおいしそうなパンが店頭に並べられるので、思わず目移りしてしまいそうな時は、商品紹介文などが入ったスタッフ手書きポップにも注目!また、人気のパンは中央のテーブルに置かれているそうなので、そこから選べば間違いなしです。2か月ごとに更新される季節の新作も、ぜひお試しを。
- お店おすすめ
『クレセント』
バターの香り高い生地を細く巻き、岩塩をまぶしてアクセントをつけたら、名前のとおり特徴的なクレセント(三日月)型にくるり。シンプルなハード系に仕上げてあり、香ばしく深い味わいをたのしめる断然人気No.1商品です。
『アップルリング』
全体を包むのはやわらかく軽い食感のパンなのですが、カスタードクリームとたっぷり入ったりんご&ラム酒漬けレーズンで、1つ食べたらお腹がいっぱいになってしまいそうなボリューム感です。表面にかかったシュガーの甘さとシナモンの香りも、女性に人気です。
京都市右京区山ノ内池尻町1-1 京都ファミリー1F
TEL 075-314-2299
営業時間 10:00~21:00 京都ファミリーに準じて休
※詳しくは、京都ファミリーのホームページ(http://kyotofamily.com/index.jsp)でご確認ください。
Croix-Rousse(クロワ ルース)
濵上公寿オーナーが、「フランス料理人だからこそのパンを作りたい」と2008年にオープン。店名は修行したリヨンの地名からとったそうで、外観もリヨンの街角に似合いそうなかわいいお店です。ベーカリーとしては遅めの11時オープンの理由は「ブランチやランチで焼きたての一番おいしいパンを食べてほしいから」だとか。旬の食材を活かして季節ごとにレシピが変わるサンドイッチや、本場に負けないクロワッサンは、フランス料理人としての腕あってこその極上の味わいです。
- 和田さんからひと言
「京都の街に合う、トーンを落とした赤い扉を開けるときには、いつも期待が膨らみます。でも人気店なので、どうしても買いたいものがあるときは電話で予約しておくのがおすすめ。お会計を済ませる前に、おやつに食べたいマロンパンやカップケーキなどのスイーツ系が並ぶレジ横のショーケースも要チェック!」
- 和田さんおすすめ
『サンドイッチ』(中身は季節で変わります)
様々な種類のパンに旬の食材で作り出すフレンチスタイルのサンドイッチ。見た目にも美しい、たくさんのサンドイッチや調理パンが並ぶ店内はとても華やかな雰囲気です。「今日は何が並んでいるかしら」と、毎日でも足が向いてしまいそう…。
『クロワッサン』
本場フランスのクロワッサンに負けない大きめサイズと味わい深いおいしさは、まさにお店の顔。店内を入ると正面に置かれていて、思わず手が伸びてしまいます。サックサクの食感と噛むたびに広がる香り。調理パンもスイーツパンもおいしそうでついついたくさん買ってしまうのですが、やっぱりクロワッサンだけは外せません。
京都市中京区西洞院四条上ル蟷螂山町468-4 シティファースト四条西洞院 1F
TEL 075-204-9049
営業時間 11:00~19:00(売り切れ次第終了) 木曜休
円山公園
国の名勝にも指定されている円山公園は京都でいちばん有名な公園と言っても過言ではありません。八坂神社・知恩院に隣接していて、有名なしだれ桜や紅葉をたのしむ観光客や修学旅行生などで混雑する時期もありますが、地元在住の人も季節の移り変わりをいち早く感じられる場所として通勤や通学、気軽な散歩コースに利用しています。日本庭園を中心に、茶店や東屋、ベンチなどもあって、とても町中とは思えないほど、ほっこりできるスポットです。
- 和田さんからひと言
「春はお花見、夏は夕涼み、秋は紅葉、冬は寺社への参拝への道となり、地元・京都の人々にも愛され続けている円山公園。先日も、お天気のいい日にパンとコーヒー、文庫本を持って出かけたら、近くで結婚式を挙げたばかりのカップルが日本庭園に登場。修学旅行生や観光客の方々に見守られていて、私もHAPPYな気持ちになれました」
京都市東山区円山町
鴨川河川敷
京都の街を南北にはしる鴨川は、山紫水明の美しい景色が魅力の北山あたり、繁華街での夕涼みがたのしめる鴨川納涼床が並ぶ四条あたり…と季節や場所によって様々な顔を見せてくれます。ランニング、サイクリング、河原の土手に座っておしゃべりデート、カモが行き交う水面を見ながらのお散歩など、たのしみ方もいろいろ。東海道五十三次の起点となる三条大橋、弁慶と義経が出会った五条大橋など、京都の悠久の歴史を物語るスポットもたくさんあります。
- 和田さんからひと言
「朝はランニング、お昼は仕事の合間にお散歩、夜は先斗町で鴨川を観ながら食事をするのが大好き。朝、昼、夕、晩という時間差、晴れ、雨、曇り、雪という天候差、季節の移り変わり…この組み合わせで鴨川のいくつもの顔をたのしむことができるのです。そんな日ごと、時間ごとに変わる川面に映る古都の街を愛でながらお散歩パンするのは最高ですね。どんなカフェに行くよりも贅沢な空間かも!」
※掲載している情報は2012年12月11日現在のものです。