研究開発体制
グループ内外の連携で、研究開発を推進しています。
日清製粉グループでは、グループ本社と事業会社がそれぞれの力を発揮するとともに、相互に連携する研究開発体制を構築しています。基礎・基盤研究から、おいしさや簡便性を実現するための製品開発、お客様の立場に立った二次加工技術の開発まで、あらゆるフェーズで研究開発力を磨いています。
研究成果は迅速に権利化するとともに、事業活動への戦略的活用を重視することで、競争優位性を確保し、お客様の満足を引き出す独自の品質を実現しています(2023年3月末特許保有件数:国内1,026件、海外776件)。そのほか、共同研究やオープンイノベーション等、さまざまな形で外部の力を取り入れ、新しい価値の創出につなげています。
各研究開発部門の研究所・内容
株式会社日清製粉グループ本社
グループ共通の技術開発拠点として、製品の品質・付加価値向上のために、小麦や小麦粉に関する原材料の検索から食品の調理法・加工法の開発、生産技術や粉体加工技術の開発、製品安全のための分析等を実施しており、幅広くグループ各社を支援しています。
研究推進部
研究開発に関わる情報収集、研究開発戦略の立案や情報発信、外部研究機関との連携、最適な環境づくりを行うことで、円滑な研究開発の遂行と日清製粉グループの各研究所間の連携をサポートしています。
基礎研究所
穀物科学、食品加工、微生物制御、健康素材、バイオ等、日清製粉グループの基礎・基盤となる技術の研究開発を、グループ内の各研究所や外部研究機関と連携して行っています。
QEセンター
食品添加物、残留農薬、微生物、アレルゲン、遺伝子組換え等、製品安全に関わる分析のほか、グループ各社・協力工場の製造環境に関するモニタリング、グループ内で使用・販売する原材料や新製品の安全性審査を行っています。
生産技術研究所
小麦製粉、小麦粉や米粉等の穀粉加工、熱処理・造粒、粉砕・分級、食品製造、包装関連領域、超微粒子や機能性素材の製造等、日清製粉グループの基礎・基盤となる技術並びに装置に関する研究開発を行っています。
日清製粉株式会社
100年以上かけて蓄積した製粉に関する技術・ノウハウを活用し、食文化を支える小麦粉の安定供給に努めています。また、業界のリーディングカンパニーとして、新しい食文化の創造や新業態開発にも挑戦。国内では圧倒的なポジションを実現するとともに、海外事業を拡大しています。
技術開発本部
小麦粉・穀粉製品と、パン・菓子・麺等の二次加工技術の開発を中心に、二次加工による品質判定からユーザーへの提案・フォローまで幅広い取組みを行っています。
つくば穀物科学研究所
小麦(粉)・穀物(粉)についての特性・性状解析及びそれらの用途・加工法についての研究や、製粉・製造に関わる評価・管理に関する研究等、小麦を中心とした穀物の基礎・基盤技術の研究開発を行っています。
FOCUS つくば穀物科学研究所
小麦を中心とした穀物の特性把握やそれに基づく製粉技術の開発等、穀物に科学的にアプローチする、世界でも類を見ない研究開発機関として2007年に発足しました。国内外の公的機関との共同研究や産学連携による研究開発等、外部の力も積極的に取り入れながら、小麦成分の特性解明や解明した特性の二次加工(製パン工程等)への応用、機能性のある小麦粉の開発等に取り組んでいます。国際専門誌への投稿、国内外の学会発表を継続的に行い、国際穀物科学シンポジウムを開催し、小麦タンパク質、食物繊維、澱粉にフォーカスした穀物科学的研究の成果の発信を積極的に行っています。
株式会社日清製粉ウェルナ
多様化する消費者のニーズに応えるために「簡便」「本格」「健康」をキーワードとした製品開発に注力しています。近年は、使いやすさに着目した小容量のボトルタイプの小麦粉をはじめ、通常のパスタよりも早い時間でゆで上がり、かつアルデンテな食感を実現した早ゆでスパゲティ、“健康”と“おいしさ”を両立させた機能性表示食品等を開発しています。
商品開発本部 商品開発統括
天ぷら粉、から揚げ粉、お好み焼粉などのミックス類、乾麺、パスタ、パスタソース、冷凍食品まで、小麦粉二次加工品を中心に幅広い加工食品の製品開発を行っています。
日清製粉プレミックス株式会社
業務用ミックスを担うグローバルカンパニーとして、お客様に最適なミックスを提供するため、最終製品の食感や温度帯、経時変化耐性などを考慮した研究開発に取り組んでいます。開発時間の短縮や生産効率の向上、コスト削減など、お客様が抱えるさまざまな課題を解決しています。
R&Dセンター
パン・菓子・ドーナツなどの業務用ミックス類の製品開発やユーザーへの提案、テクニカルサポートまで、幅広い研究開発を行っています。
日清ファルマ株式会社
日本では世界に例を見ないスピードで超高齢社会が進み、疾病予防や健康増進に対する関心が日増しに高まっています。こうしたなか、健康食品や機能性食品素材、医薬品原薬等、高品質で安全な製品を供給しています。健康科学研究所とGMP適合工場で 新しい時代の健康ニーズにマッチした製品の研究開発や製造に取り組んでいます。
健康科学研究所
新規機能性食品素材の探索研究、機能性食品素材のエビデンスデータの取得、機能性食品素材製造の工業化研究、機能性食品の開発研究など、外部機関と連携しながら、素材の探索研究から製品の開発まで行っています。
株式会社日清製粉デリカフロンティア
「新たな価値で、デリカの未来を切り拓く」という志のもと、これまでにないアイデアと技術で新しい価値を創出し続け、「おいしい」「安全・安心」はもちろんのこと、お客様にもっと喜んでいただける進化した中食・惣菜市場の開拓に取り組んでいます。
研究開発部
お客様や社会のニーズを捉えた商品ジャンルの拡充を目指し、健康、差別化、環境の3視点から新たな技術開発に取り組んでいます。また、ライフスタイル変化への対応や食品ロス削減といった社会課題の解決にも積極的に取り組んでいます。
生産技術開発部
高度に事業化されたビジネスモデルへの転換を実現するため、自動化・省人化技術の開発・導入を行っています。また、地球環境保全のために、食品廃棄物、気候変動及び水問題への対応等につながる技術開発・導入にも取り組んでいます。
日清エンジニアリング株式会社
長年蓄積してきた「工場建設」と「粉体技術」をコアに、弁当・惣菜等の食品関連や化粧品、電子材料等、幅広い産業で最新技術を取り入れたプラントや工場の設計・建設を行っています。また、特徴ある粉体機器の開発・販売事業、粉砕・分級やナノ粒子の粉体加工事業を展開しています。
粉体事業部
各種粉体機器の開発・改良及び、導入機器のユーザーニーズに合わせたカスタマイズを行っています。また、「ナノ粒子加工」等の新たな事業へも展開しています。特に、微細なナノメートル領域の粒子のみを取り出せる分級を実現する「エアロファインクラシファイア」シリーズは、積層セラミックコンデンサやプリント基板等の電子材料を中心にさまざまな分野で使用されています。
オリエンタル酵母工業株式会社
酵母の研究開発で培った培養技術をはじめ、製パン・製菓業界のお客様向けに磨いてきた食品加工技術、酵母研究を基礎に深耕してきたバイオテクノロジーを活かし、お客様の研究開発・製品開発を強力にサポートしています。
技術・研究・品質保証本部
研究統括部
食品事業本部・バイオ事業本部を含む全社の産業財産権及び技術契約の管理・調整等、研究開発業務のサポートを行っています。
食品事業本部
研究開発部
パン酵母や発酵液、微生物機能利用製品、パン品質改良剤や粉末かんすい等の粉体製品、フラワーペースト等のフィリング類、総菜類、日持向上剤や品質向上剤等、幅広い研究・製品開発を行っています。
バイオ事業本部
長浜生物科学研究所
微生物・細胞の大量培養、遺伝子工学を用いた組換え蛋白質・抗体等の診断薬原料や研究用試薬等に関する研究開発を行っています。
株式会社NBCメッシュテック
高度なメッシュテクノロジーをコアに、スクリーン印刷用資材や産業用資材、化成品等、あらゆる産業界へ製品を提供しています。スクリーン印刷用メッシュクロス分野では世界トップクラスの技術を誇ります。また、自動車・通信・家電・医療・環境分野への技術関与のほか、ナノテクノロジーの研究も推進しています。
メッシュテクノロジー研究所
原料素材、アプリケ-ション、製織技術等の総合的な研究開発を推進し、既存分野の市場拡大を目的に、高強度メッシュや機能性メッシュの開発、新たな製版装置の開発を行っています。
生産技術開発センター
既存製品及び新規製品のすべての生産技術開発と生産革新、機器開発導入、維持管理の展開を目的に、IoT及び自動化の推進と生産工程の革新を進め、コストダウンの推進を行っています。
創発研究センター
次世代事業基盤のための新規シーズを探索し、抗菌・抗ウイルスフィルム製品や抗ウイルス塗料を用いた新たな製品開発をはじめ、環境浄化のための技術開発や、安心・快適な製品の展開を行っています。
メタルメッシュテクノロジー研究所
スクリーン印刷や各種フィルター等の産業資材に用いられる金属製のメッシュクロスに関する研究開発に取り組んでいます。金属素材やメッシュクロスの特性分析を通し、各用途における課題解決につなげます。
スクリーン印刷研究所
最適なスクリーン印刷用資材や印刷条件をお客様に提案し、スクリーン事業の拡大を目指しています。特に、積層セラミックコンデンサ等の電子部品や次世代太陽光パネルの生産に、自社開発した精密製版用直描機を活用した最適なスクリーン印刷技術を提案しています。
※紫外線の影響をカットするため、特殊な光源下で試験を行っています。