小麦粉料理をより健康においしく食べるポイント

朝食に食べる

みなさん、「時間栄養学」をご存知ですか? これまでの栄養学では、「なにを、どれだけの量」食べるかに着目されてきましたが、これに「いつ、どの順番で、どのくらいの速度で」が加わった「時間栄養学」が新しい栄養学として注目されています。

ヒトは体内時計を持っていて、だいたい25時間周期でリズムを刻んでいます。だから、そのままで生活をしているとだんだん夜更かしになっていくのです。しかし、私たちの生活は、一日24時間で回っているので、体内時計をリセットしてあげなくてはなりません。そこで、次のようなことを心がけましょう。

体内時計のリセットに不可欠な朝日と朝食

朝の強い光を浴びることで脳の時計をリセットし、朝食をとることで、体内の臓器や細胞の時計をリセットします。

体内時計のリセットに理想的な食事とは

体内時計のリセットには、炭水化物、たんぱく質、ビタミン・ミネラルといったバランスのよい朝食が理想ですが、中でも炭水化物とたんぱく質の両方が必須であることがわかっています。
小麦粉料理からは、主にそのうちの炭水化物を摂取することができます。

朝食に炭水化物をとるメリットとは

炭水化物は、体内時計をリセットするだけでなく、脳のエネルギー源であり、体の代謝を高める作用があります。炭水化物を朝食に取り入れることで脳の活動が活発になり、代謝があがり余分なカロリーを消費できるようになります。

パンやホットケーキに、卵料理やベーコン、ハム、野菜サラダや野菜スープ、果物、これにチーズやヨーグルト、牛乳などの乳製品が加われば、炭水化物+たんぱく質+ビタミン・ミネラルがとれて完璧です。 時間がないときや朝からそんなに食べられないときは、パンとハム、サラダ、牛乳だけでも食べられるといいですね。

野菜と一緒に食べる

小麦粉料理と一緒に、野菜も食べましょう。このとき、食べる順番と速度も大切です。

小麦粉料理を真っ先に早食いしてしまうと、一気に血糖値が上昇し、インスリンが大量に分泌され、脂肪の合成が活発になってしまいます。また、インスリンが急激に分泌されると、次第にすい臓の機能が弱まり、長い間それが続くと糖尿病の原因になってしまいます。

まずは食物繊維を豊富に含む野菜を食べ、糖質の分解や吸収が遅くなる状態を作り、そのあとに小麦粉料理を食べます。さらに、ゆっくりよく噛んで食べることも有効です。

食べる順番や落ち着いて食べることを日々気をつけることによって、肥満や糖尿病を防ぐことができます。

小麦全粒粉だとよりうれしい!

小麦全粒粉は、小麦の粒を丸ごと挽いて粉にしたものです。普通の小麦粉では除かれてしまう小麦ブラン(ふすま)や胚芽部分も含まれているので、食物繊維、ミネラルなどが豊富です。

小麦全粒粉のパンは、普通の小麦粉の白いパンよりもGI(グリセミックインデックス)値が低いことがわかっています。
また、パンや白米よりGI値が低いパスタでも、全粒粉のパスタにするとさらにGI値が低くなります。GI値が低いということは、食後の血糖値上昇が低いということを示しています。これは、小麦全粒粉に含まれる食物繊維により、消化・吸収のスピードが遅くなるからです。

普通の小麦粉を小麦全粒粉に置き換えることで、血糖値上昇が抑えられ、食物繊維、ミネラルもとることができて、より体にうれしいですね。