責任ある調達の推進

私たちの基本姿勢

お取引先と、公正かつ相互信頼をベースに相手の立場を尊重してその成果をともに分かち合うことにより、共存・共栄を図ります。国際行動規範の尊重に基づく、倫理的な事業慣行の徹底に取り組みます。
私たちは、企業行動規範等において法令、企業倫理、社会規範を遵守し、社会秩序の維持に努め、公正かつ自由な競争の中で事業の発展を図ることを明記し、徹底に取り組んでいます。また、社会の要請に対応するため「責任ある調達方針」とともに「サプライヤー・ガイドライン」を定めており、サプライヤーの皆様のご協力も得ることで、サプライチェーンを通じて責任ある調達を推進していきます。

サプライチェーンの全体像

小麦の調達における取組み

当社グループは小麦を起点とした製品・サービスを提供しており、小麦の安定的かつ持続可能な調達はグループの重要な課題であるため、各種施策に取り組んでいます。

安定供給への取組み/日清製粉(株)

製粉事業の調達においては、小麦の生育状況を産地で確認するなど、生産者とのコミュニケーションに努めています。また、日本が小麦を輸入している主要3か国(米国・カナダ・豪州)に事業拠点を持ち、原料小麦の生産地からの直接の情報収集によって知見を深めることで、小麦の安定的な調達と供給を図っています。

気候変動による小麦への影響についての調査・研究

気候変動が小麦粉品質に与える影響の調査、研究を行っています。

環境に配慮した調達の推進

包装資材の選定

当社グループでは「環境に配慮した包装資材の選定指針」を制定しています。印刷会社と連携し、包装資材を編成する個々の素材の環境負荷を定め、簡易に包装資材の環境負荷を算出し、「セイフティレビュー」の評価項目としています。また、日清製粉(株)では、お取引先への小麦粉の納品にバルク車を活用し包装資材の使用量を抑制しています。

「環境に配慮した包装資材の選定指針」(抜粋)

環境に配慮した包装の基本事項

  1. 包装資材として必要な機能を満たし、環境負荷を極力抑えたもの
  2. 重量及び容積の削減が図られているもの
  3. 分別収集が容易であり、かつリサイクルが確実にできるもの
  4. リユースが可能であり、かつ回収が確実に安価でできるもの
  5. 製品への臭い等の影響を与えず、焼却時等に処理困難な有害物質を発生しないもの
  6. 原料確保、加工、包装、リサイクル時に環境負荷の少ないもの

紙の調達における取組み

FSC®認証紙等の持続可能な包装資材の導入を進めています。

事例:
「マ・マー あえるだけパスタソース 逸品」シリーズ/(株)日清製粉ウェルナ
パッケージにFSC®森林認証紙(ミックス)を使用しています。

グリーン購入・調達の推進

製品やサービスを購入する際、環境への負荷ができるだけ少ないものを優先的に選択することを「グリーン購入」といいます。当社グループは、「日清製粉グループ“オフィス・サプライ”グリーン購入ガイドライン」を定めています。文具・事務用品や事務機器類の購入に際しては、品質や価格だけでなく環境に与える負荷が小さい製品を優先的に購入する活動を推進しています。
オフィスで使う紙製品の調達基準に関し、適合品を社内の発注システムから優先的に購入できるようにしています。その結果、国内の当社グループの事業場が購入するOA紙のグリーン購入の適合品が占める比率は、特殊用途のものを除いてほぼ100%を達成しています。オフィスにおける両面コピーやペーパーレス化といった紙使用量削減とともに、グリーン購入を推進することで、原材料を供給する森林資源の環境保全に取り組んでいます。

日清製粉グループ“オフィス・サプライ”グリーン購入ガイドライン(抜粋)

購入原則

  1. 資源採取から廃棄までの製品ライフサイクルにおける環境負荷を考慮して購入する(汚染物質の削減、省エネ省資源、持続可能な資源採取、長期間使用可能、リサイクル可能、再生資材の利用、処理・処分の容易性など)。
  2. 環境保全に積極的な事業者が製造し、又は販売する製品を購入する。

お取引先との協働

当社グループ各社では、お取引先と一緒に責任ある調達活動を進めるための取組みを行っています。

方針の周知と浸透

当社グループの「責任ある調達方針」「サプライヤーへの皆様へのお願い(サプライヤー・ガイドライン)」についてお取引先(サプライヤー)へ周知し、ご理解いただくことで、浸透を図っています。

CSRセルフ・アセスメント調査の実施

2021年度6月より、グループ各社のお取引先(国内主要一次サプライヤー様)を対象に、CSRセルフ・アセスメント調査を実施しています。2023年度時点では、累計561社のお取引先に調査を実施しています。本調査では、サプライチェーン上の社会課題や環境課題等の解決にお取引先と協働して取り組むべく、人権・労働、安全衛生、環境等の質問項目を設け、お取引先の取り組み状況の把握に努めています。
2022年度からは、お取引先へのフィードバックや訪問を通じて、課題の共有や取組みの重要性の周知等を行い、当社グループの調達方針やガイドラインの更なる浸透を図っています。
今後も継続してお取引先との対話に努め、対応が必要な課題がある場合には、お取引先と共にその是正に取り組んでいきます。

日清製粉(株)、(株)日清製粉ウェルナ、オリエンタル酵母工業(株)、日清ファルマ(株)、(株)NBCメッシュテック、(株)ジョイアス・フーズ、イニシオフーズ(株)

現地視察の実施/(株)日清製粉ウェルナ

原材料を調達するにあたり、お取引先には原料規格書などの書類提出の他、当社社員による現地視察をお願いしています。これは、原材料の安全性を確認するだけではなく、当社の原材料調達方針をご理解いただいた上で、新たに、または継続して取引が可能かどうかを判断する重要なプロセスであり、児童労働や強制労働がないこと等を確認しています。

定期的な勉強会の開催/日清製粉(株)

バルク車

小麦粉を直接積み込むバルク車のタンク内は常に衛生的な状態を保つよう清掃の頻度や方法が決められ、ハッチや部品の取り扱いなど、きめ細かい手順が定められています。輸送を担う運送会社との勉強会を定期的に実施し、日清製粉(株)の責任として管理しています。

安全に関する働きかけの実施/日清エンジニアリング(株)

生産加工設備の設計・工事等を行う日清エンジニアリングでは、CSRの観点から、「プロジェクト管理規程」に定めるワークフローに基づき、協力会社等に対して、関係法令を順守していただく立場として、以下の取組みを実施しています。

社員教育

責任ある調達に関する社内研修の実施

サプライチェーン上の環境・人権などの社会課題に関する理解を深め、日清製粉グループの「責任ある調達方針」を実践していくために、それぞれの社員の階層や業務内容に応じて、責任ある調達に関する研修や、CSR監査実務研修を実施しています。

研修内容 対象者
責任ある調達研修
責任ある調達が必要とされる背景や、市場環境の変化、必要なマネジメント等を学び、当社グループの「責任ある調達方針」の実践に必要な知識の習得を目的とした研修
主要事業会社の調達・購買、開発部門等の担当者
初めて海外に赴任する経営層
CSR監査実務研修
「CSR監査」で求められる知識や要求、手法などを学び、お取引先との対話力の向上を目的とした研修
主要事業会社の調達・購買、開発部門等の担当者

エシカル消費の社員啓発への取組み

フェアトレードコーヒーの提供

エシカル消費へ貢献するとともに、社員のエシカル消費や発展途上国における人権尊重の理解を深めることを目的として、本社地区の社員食堂にてフェアトレードコーヒーを提供しています。フェアトレード認証を受けたコロンビア産・インドネシア産コーヒー豆を100%使用しています。

エシカルな食事の提供

食事を通じてさまざまな社会課題に触れ、日常生活での消費行動の変容に繋げてもらう取組みの一つとして、本社地区の社員食堂で「サステナブル・シーフード」や「ケージフリー卵」を使用した食事の提供を定期的に行っています。

本社地区社員食堂で、MSC/ASC CoC認証を取得しています。

ASC認証魚 宮城県産銀鮭を使用した「銀鮭のムニエル&フライ オイスタータルタルソース」
ケージフリー卵を使用した「オムライス」