Cooking Men料理男子紹介
作る楽しさを伝える美食料理男子
柏原 光太郎Kotaro Kashiwabara
- Age
- 50代
- Job
- 出版社勤務
- 料理歴
- 学生時代から約40年
- 料理こだわりエピソード
- 軽井沢スペインオムレツコンテストで優勝しました!
- 好きなツール
- 家庭用小型ロティッセリー
Interview
計6年間のお弁当作りで培った料理の基礎と情熱
柏原 光太郎さん
料理に興味を持ち始めたのは学生時代。料理好きが集まるスペインバルに通っていたのですが、そこに集まる常連客たちは食通が多く、料理の面白さを語りきかせてくれました。食べ歩きは国内にとどまらず、スペイン旅行に出かけたことも。
料理する経験としては、子供のお弁当は全て僕が担当しました。幼稚園に通っていた当初は、張り切って何種類もおかず作っていましたね。昨晩のおかずをそのまま入れない、1週間は同じメニューを作らない、など、自分なりのこだわりがありました。ですが、幼稚園児にとって食べづらいものも多かったようで、ある日、園長先生から「お弁当を食べるのに時間がかかりすぎるので、もう少し子供が食べやすいお弁当にして欲しい」とお叱りを受けたこともあります(笑)。
子供が中学生になってからは、子供同士がおかずを交換し合うこともあるようで、子供の友達から「唐揚げを作って!」などとリクエストを受けて作ることも増えました。SNSにお弁当の写真を投稿しているので、「あの時のこのメニュー」と指定されることもしばしば。職業柄(出版社でグルメガイドの編集を10年担当)、飲食従事者の知人も多く、レストランで余った食材をお弁当用に分けてもらうことも増え、鴨肉の入ったお弁当などやたらと豪勢な日もありました。毎日のお弁当作りを苦に感じたことは一度もありませんでしたね。
「食」で豊かな人生を歩む仲間を増やしたい
僕は、日本ガストロノミー協会の発起人ですが、これはスペインのバスク地方にある地方都市サンセバスチャンから着想したものです。
スペイン・サンセバスチャンは、世界屈指の美食の街。人口18万人ほどの小さな街の中に、ミシュランの星が総計16あり、うち三つ星レストランが3軒もあるほど。この街が「美食」で名を馳せた背景には、「ソシア・デ・ガストロノミカ」(美食倶楽部)の存在が大きいと言われています。100年以上前のバスク地方では「自宅の厨房は女性のもの」という伝統があり、料理好きの男性は家庭以外の場所で互いに料理を作りながら楽しむようになりました。それが美食倶楽部の発端です。
こんな風に、自分たちで料理し意見交換をする「食コミュニティ」の拠点を日本でも提供したいと思い、「日本ガストロノミー協会」を立ち上げました。以来、月に2度「柏原います」と題したイベントを開催して料理を振る舞っています。
動き続ける中で、発想力は鍛えられる
僕のイベントでは、プロの料理人を招いて手ほどきを受ける回もありますが、手軽な家庭料理を作ることもあります。形にこだわらず、とにかく続けることが料理を楽しむコツかもしれません。娘のお弁当を毎日作っていた経験がベースだからかもしれませんが、ずっと続けていると、レシピ通りではなく、こうしたら美味しいかな?というアイデアが自然と出てくるようになります。オイスターソースがなければ、どんな調味料で代替しようかな、とか、この食材を置き換えてもおいしそうだな、とか、自己流にアレンジができるようになってくると、楽しみの幅が広がります。
肩肘張らずに、何かを作ってみよう。とにかく料理を続けてみよう。そんな想いで東京・表参道と長野・軽井沢に拠点を構えていますが、今度関西にも拠点を持つ予定です。食を愛する様々な人が気軽に集まれるコミュニティが広がることを期待して。
日本ガストロノミー協会 https://www.japangastronomy.com/