Cooking Men料理男子紹介
料理道具オタク 料理男子
島貫 朗生Akio Shimanuki
- Age
- 40代
- Job
- メディアプロデューサー
- 料理こだわりエピソード
- 値段など気にすることなく、欲しいと思った調理器具は1ミリも迷わず購入する。食べたいとおもったら生産者にまで問い合わせる。とにかく貪欲です。
- 料理歴
- 約30年(ブランクあり)
- 好きな調理道具
- 伊賀黒鍋
Interview
自然と生活に入り込んできた料理との出会い
島貫 朗生さん
幼少期、母の仕事の都合で祖母の家に滞在していることが多く、料理上手だった祖母を手伝ううちに自然と料理をするようになりました。最初は祖母が作る西洋料理のソースだったり、オムレツ作りなどから始まって...。小~中学生の頃は、自分で料理をすることも多くなっていったと思います。料理の基礎はそこで身に付けました。
それ以降、しばらくブランクがありますが、社会人となり、都内の出版社で編集者として国内外数千軒のレストランを取材していくうちに、料理の面白さを再発見し、自分でも本格的な料理を追い求めるようになりました。
魂が震えるレベルの「美味しい!」を追い求めて
今や食の楽しみ方もかなり細分化し、エンターテイメント性のあるプレゼンテーションがあったり、深く練られたコンセプトがあったりしますが、僕が最近目指しているのは、シンプルに"美味しい"料理です。
最近のテーマは「脱デコラティブ&脱プレゼンテーション」。例えば、ヨーロッパの田舎町にあるうらぶれたビストロやバルで食べる料理。飾り気がなくて彩りも地味だったりするのに、豪快で「身体の芯から美味しい」って感じることってあるじゃないですか。僕も、そういう本質的な「美味しさ」を追求したいと思うようになりました。
欲しいものを手に入れるために手段は選ばない
僕は、「美味しいもの」を作るために、一度欲しいと思ったものは、たとえ値が張る調理道具でも、日本国内で入手困難だと言われる食材でも、労をいとわず探し求めてしまいます。
以前、とあるレストランで、「プンタレッラ」というイタリア野菜を初めて食べた時に、その味に感動して自宅でもコレ食べたい!と強く思ったことがありました。色々な店を探したのですがなかなか出合うことができず、やっとの思いで国内の生産者を突き止め、問い合わせをしても、「豪雨の影響で作付が上手くいかなかった」と残念なお言葉...。その方曰く、「日本の気候が合わないのか、栽培が難しい」とのこと。ここまでくると、もうあきらめるしかないと言い聞かせようとした時に、ふと「プンタレッラの種」なら入手できることがわかり、さっそくバルコニーで作ってみることに。ま、当然ですけどうまく育てることができず諦めましたけれど。誰か売っている場所教えてください(笑)。(あ、諦めきれていませんね。)
「美味しい」と言わせたい、ただそれだけ。
誰かのために料理をするシーンでいえば、自宅に友人や知人を集めてホームパーティから、出張料理人として参加する友人のパーティまで、多岐に渡ります。自分のために作る料理は学生時代までに身に付けた一般的な家庭料理が多いのですが、人に食べさせる料理は食材や調理法、器などに超気合いを入れますね。食べる人に「美味しい」と言わせたい。ただその一心です。
感動した名店の味にインスピレーションを得たり、最新の調理家電を手に入れたりするたびに、作りたい!食べたい!と思うものが増えるので、僕が誰かに料理を振る舞う時は、リクエストがない限り、同じものを作ることはほとんどありません。仕事じゃなくて趣味だから、せっかく気合を入れておもてなし料理をするなら、常に新しいことにチャレンジして自分も楽しんでいます。
「美味しい」がもたらす幸せな時間に魅了されて
"美味しい"っていう感覚って、一番幸せなことだなって思っています。ちょっと場の空気が微妙だったとしても美味しい料理が運ばれてくるだけで和んだり、楽しい雰囲気ならその気分がさらに増幅したり。美味しいものには、魔力のようなものが備わっていると思います。
ほんの少しの基礎さえあれば、誰でも簡単にその感覚を誰かにもたらすことができるんです。こんな素敵なもの、他にありませんよね。