Cooking Men料理男子紹介
旅先での料理の再現を楽しむ旅料理男子
高倉 遼Ryo Takakura
- Age
- 20代
- Job
- ライフスタイルメディア・ディレクター
- 料理こだわりエピソード
- 食べることが好き、旅が好き。2つの「好き」を軸に、各地で食べ歩きをしながら料理に勤しむ。大人数に食事をふるまう機会も多く、イベントでの出張料理を手がけることも。人に「食べてもらう」体験を大切にしている。
- 料理歴
- 約3年
- 好きな調理道具
- スキレット(スキレットなしには生きていけない)
Interview
ひとり旅は、料理の知識と味のアーカイブ作業!?
高倉 遼さん
世界13カ国、ローカル食堂でローカル料理に舌鼓
国内、海外問わず、さまざまな地域を旅するのが好きです。日本は北から南まで、海外は13カ国ほどをこれまで旅して、各地で食べ歩きを楽しんでいます。旅の多くはひとり旅。アイスランドにひとりで行ってくると言った時は、さすがに周囲にも驚かれましたね。
「ひとり」にこだわるのは、気ままに動けるからという理由もありますが、料理にも関係しています。誰かと食べることは楽しいけれど、ひとりで、話し相手がいない状況で食事をすると、より思考が研ぎ澄まされるというのでしょうか。本来の「食べる」という行為に近い状態で料理を味わうことができる気がするからです。前もって情報収集していくこともあまりしません。その土地を歩きながら、少し怪しげな食堂にふらりと気まぐれで入り、食べたことのないローカルな料理に出会うのが僕の旅の醍醐味です。
旅先では、「どう作っているのか?」の問いが止まらない
そうやって旅の途中で、その土地ならではの料理を口にすると、決まって頭をよぎるのが「これはどうやって作っているのか?」という疑問です。僕自身の料理の出発点も、母の料理に対して「なぜこんなに美味しいのか?」と、その理由を解明したい気持ちでした。
とくに、日本とは食文化の異なる国で食べる料理には、何を使っているのか見当がつかないようなものがたくさんあります。以前ポルトガルのリスボンにある小さなレストランで料理を食べた時、凄まじく美味しいけれど、その美味しさの肝が何なのか今ひとつわからなくて。いくら考えてもわからないので拙い英語を駆使して尋ねてみると、決め手はパプリカのペーストだと言う。そんなふうに、旅の食べ歩きではいつも、地元の料理人の方の力を借りながら、料理の謎解きを楽しんでいます。
作りたい気持ちに火がついたら、突き進むのみ。
食べてその作り方を解明せずにはいられないのと合わせて、作りたくなると作らずにはいられないのも僕です。やってみたいと思うと、とことん突き進んでしまう。
以前、自宅に20人ほどを招くことになり、何を思ったか、麺を除いてラーメンをゼロベースから作ってもてなすことにしてしまいました。そのために寸胴でスープを煮込み、20人前のチャーシューを作り、煮卵を作り・・・と無我夢中にやった結果、翌月とんでもないガス代の請求書が届いた時は驚きましたね。とはいえ懲りずに、今は麺作りの挑戦を画策しているのですが。沖縄の竹富島で食べた八重山そばを再現したいと考えているところです。
「食べてもらう」というコミュニケーションが僕を成長させる。
振る舞い好きが高じて、ついに出張料理も。
Ω 以前は友人3人とルームシェアをしていて、その4年間に本当にたくさんの友だち、友だちのさらに友だちなど、あらゆる人を招いて料理をふるまってきました。今は一人暮らしですが、やはり月に2、3回ほど、毎回10人くらいの人を呼んで料理を食べてもらっています。そのために、わざわざ3口コンロの家を探しました(笑)。イベントや料理教室といった出張料理も、2ヶ月に1〜2回のペースで行っています。
いい意味での適当さを失わず、自分らしい料理を
自分が作った料理を食べて美味しいのはある意味当たり前で、自分以外の人に食べてもらうことで磨かれていく部分も大いにあるはずです。人と人とのコミュニケーションにおいて、自分が作ったものを人に「食べてもらう」というのは、すごい体験だと僕は思っていて。体に入るものですから。表面的なやりとりではなく、より相手の根源的なところに及ぶと思うと、今以上に自信をつけていきたいなと身が引き締まります。調味料の分量も適当ですし、その場の勢いで作ることも多く、料理人としては緩いタイプだと自認しています。そんな自分らしさを失わずに、これからも旅をしながらたくさんの料理に出会い、料理を楽しんでいけたらいいなと思います。