Cooking Men料理男子紹介
道具や設備も妥協しない
とことんDIY料理男子
古上 正時Masatoki Kogami
- Age
- 30代
- Job
- Web制作会社勤務
- 料理こだわりエピソード
- ラーメンを作るなら、スープはもちろん、チャーシューやメンマまで一から作るこだわり派。食材や道具だけでなく、「家庭用のキッチンならこれが限界」という言い訳ができないように、自宅に業務用キッチンを導入するほどの徹底ぶりは圧巻。
- 料理歴
- 約20年
- 好きな調理道具
- 最近ハマっているのは「メスティン」
Interview
業務用キッチン、手作り包丁。「限界」の向こう側へ。
古上正時さん
業務用キッチンを導入し、「言い訳できない環境」を作る
数年前に、自宅に業務用キッチンを導入しました。特別な料理だけでなく、毎日のごはん作りも業務用キッチンです。これは、プロに近づきたいとかそういうことではなく、あくまで道具と設備を自分の腕前の言い訳にしたくなかったからです。「火力が違うから、ここまでが限界」なんてことは絶対に言いたくない。自分を追い込むための、あえての業務用キッチンです。
料理は本当に大好きでもちろん向上心はありますが、プロの方々と肩を並べたいという気持ちで腕を磨いているわけではありません。ただ個人レベルでどこまでできるのか、追い求めてみたいんです。ビジネスとしては不可能でも、個人なら挑戦できることもある。例えば、僕はメンマは材料の麻竹を仕入れてきてイチから手作りしますが、ラーメン店がこんなに手間のかかることをやっていてはビジネスになりませんよね。僕としては、プロの料理人の方に「趣味でやっている料理だから手間をかけられていいね」と言ってもらえたら本望なんです(笑)。
包丁ですら手作り。とどまることを知らない道具愛。
もともと道具が好きだったことも、自分が料理を追求する理由の一つかもしれません。料理っていろんな道具を使うから道具好きにはたまらない。
- 自前のトルティーヤを成形するための専用器具。使い方は動画サイトで研究。
気づけばマイ包丁も何本も作っています。鋼材を削って自分の手に合わせて好みのものに仕上げていくんです。市販の包丁をいくつも買って試したのですが、今ひとつ気に入るものがなくて。
自分で作れるとわかってからは、クッキングナイフ、アウトドアナイフ、肉切り包丁......いろんな包丁を作りましたね。自作の包丁は愛着も湧きますし、一生モノです。
料理に向き合う時間は、自分をリセットしてくれる大切な時間
僕にとって料理は瞑想に近いものがあります。無心になれるひととき。海をながめている時だったり、お風呂に浸かっている時だったり、人それぞれ、そういう時間がありますよね。僕の場合は心を無にして夢中になれるのが、料理をしている時間なんです。
日常の様々なことから解放されつつも、料理中は、脳内で目まぐるしくPDCAをまわし続けています。自身がもっている知識から仮説を立てて、実際に調理してみて、うまくいかなければ改善策を考える。そしてまた調理、また改善、また調理。これを繰り返していきながら、思い描いた味にたどり着いた時の気持ちよさといったらありません。
こういった料理のロジカルな面というのは、仕事にも生きているのではないかと思います。ですので、男性のみなさんも「料理なんて」と言わずにぜひやってみることをおすすめします。
これからも続いていく、探求の道
これまでは、日本で食べられる料理でおいしいなと思ったものを再現してみることが多かったのですが、次は本場のローカルな中華料理を現地で食べて、再現してみたいですね。自分が今まで食べてきた中華のルーツはどこにあるのか、基本をしっかりと知りたいです。
ロジカルに料理したいと言う割には、僕って人と違うこともしたがりで。型にはまりたくない気持ちも強いので、ややこしいですね(笑)。とにかく「優等生」にはなりたくない。そんな反骨精神は失わずに、これからも料理に向き合っていきたいです。