料理をする上で必要な道具、「包丁」。
前回はその包丁の切れ味について、ちょっとした実験をし、切れ味が良い包丁を使う事で見た目が良く、舌触りも良い調理ができたりすることを見ていただきました。

何気なく使っている包丁ですが、実はとっても奥が深い。
包丁の事を知ると、料理が少し楽しくなり、食生活がより良いものになるかもしれません。

是非、そんな風になっていただけたらと思います。

自分に合った包丁の選び方

包丁の選び方

前回は包丁の本来的な機能、切れ味についてお話しましたが、
今回は包丁を選ぶ際に、どういった基準で選べば良いかをお話できればと思います。
ただ、細かく包丁の材質や形状などの話をしてしまうとかなり長い話になってしまいますので、今回はよくあるケースに当てはめて説明したいと思います。

おおまかな包丁の選び方

包丁を買い替える際、包丁を選ぶにあたって、考えるべきことは
●用途・目的
●使用環境
●予算
といった辺りだと思います。

用途や目的で形状やサイズが決まり、使用環境や予算で材質などが決まります。
今回はそのあたりを、ケースごとに少し例を出してご紹介できればと思います。
※あくまで筆者の個人的なオススメです。あくまで選ぶ参考として読んでいただければ幸いです。

使用シーン毎の包丁選び

（1）「料理はたまに（週1-2回？）。それなりに長く使えてそこそこの物が欲しい」という方へ

包丁選びの相談をされる上で、よくあるケースです。
ちなみにこの相談の場合、新しく包丁を買う理由が大体「100均の包丁が切れなくなった、満足できなくなった」という理由が多い気がします。

この場合、用途・目的は一般的な料理全般、おそらく難しい料理や細かい作業はしないでしょう。そうなると、形状は万能包丁、三徳包丁が良いかと思います。
素材は、使用頻度は低いみたいですが、ラフに使うことが予想されるので、錆びにくいステンレス製の物が良いでしょう。和包丁のような鋼（炭素鋼）の物は切れ味が良いですが錆びやすいため、錆びさせない手間を費やせる愛着や目的が無ければ、ステンレス製にしておくのが無難です。
予算はそこそこのものとのことですが、この場合、大体3000円～10000円の価格帯のものを選ぶのがいいと思います。これでもかなり幅がありますが、予算自体わからないというのであれば、5,000円前後の大手メーカーの物を基準にするとわかりやすいでしょう。

結論：大手メーカーの5000円くらいのステンレス三徳包丁


（2）「料理はたまに（週1-2回？）。それなりに長く使えてそこそこの物が欲しい」という方へ

前述のケースの次くらいによく相談されるケースです。
生活や環境の変化、または趣味として料理を頑張りたくなったら、やはり道具に気を回しだすものです。

この場合、
用途・目的は一般的な料理全般、さらに難しい料理や細かい作業もするでしょう。
であれば、三徳包丁か牛刀となります。個人的には、先端が鋭くなった牛刀をオススメしたいです。一歩上の料理ということで肉や魚を調理することが増えるのであれば、牛刀の方が適していると思います。あと、シュッとしていてかっこいいのでテンションも上がります。
※筆者の個人的意見

使用頻度は前のケースよりも多くなると思いますが、やはり錆びやすい炭素鋼を選ぶほどの理由がなければ、刃物向けのステンレス鋼が良いかと思います。
ただし、前述のものよりも高級なステンレス鋼が候補に上がってくるかと思います。
予算も前回よりは上がり、7000円～くらいじゃないかと思います。個人的には10000円を超えるくらいのものが満足度が高いのではと思います。

また、この辺りになってくると、いわゆるダマスカス模様のものも候補に入ってくるかと思います。これは基本的には見た目の好みになりますので、長く使いたくなる、自分の好みに合った見た目のものを上記の条件の中で選ぶのが良いと思います。
よく使うものですので、自分の好きな見た目のものを使うのが料理を長く続けるコツだったりもします。

結論：見た目が好みの、10000円～くらいのステンレス牛刀


（3）「ほんとにたまに料理する程度だから小さいのがいい」という方へ

このケースも結構あります。一人暮らしであまり料理をしない環境の場合が多いですね。
用途・目的は、出来合いのものや野菜や果物を切る程度だと思われます。
ですので、ペティナイフで十分な場合が多いです。ペティナイフは長さだけではなく刃幅も狭いので、果物などもスッと切れるため用途に合致すると思います。
使用頻度は低いので、刃持ちが良く錆びないステンレス鋼が良いと思います。
予算としては、2000円～7000円くらいで、選べるかと思います。個人的にオススメしやすいのは最大手メーカーの6500円前後のものです。
切れ味も刃持ちもよく、ストレスを感じたことが有りません。
しかしあまり料理しないのにその値段は・・・という方は、3000円前後のものでも十分かと思います。

結論：3000円前後のステンレスペティナイフ


どうでしょうか。よく包丁の選び方を相談される筆者の経験を元に、ケース毎に書いてみました。
前提として、メインの包丁として使う一本に限定しています。
そのため、魚を捌くために使う出刃包丁、野菜を切るための菜切り包丁、実は万能な中華包丁などが出てこなかったので物足りない内容だったかもしれません。
筆者としては、そういう包丁こそ「目的に特化した形状」を有していてマニア心をくすぐられるのですが、今回は一般的な用途・目的での紹介としました。
これで包丁をアップグレードし、より料理を楽しんでいただけたら幸いです。