Column男の探求コラム
DIY料理男子による包丁のすゝめ
どの家庭にも一本はある、「包丁」。
最近では100円ショップなどでも販売されているため、そういった安価な物から使い始める人も多いのではないだろうか。しかし、どんな道具にも良し悪しがあり、グレードというものが存在する。
料理を自分なりに追求している料理男子にとって、包丁はシンボリックなメインアイテム。できれば、自分好みのマイベスト包丁を使いたいところだろう。
この連載では、包丁に魅せられ、包丁を自宅で自作している私が(包丁職人ではなく、普通のサラリーマンです。笑)、マイベスト包丁を手にするための少し変わった方法と包丁の豆知識を紹介していこうと思う。
魅力的で深~い包丁の世界
包丁の魅力 切れ味
包丁の魅力、そして奥深さを語る上でやはり避けて通れないのが「切れ味」。
包丁とは食材を切るための道具であるため、第一に求められる機能はやはり切れるかどうかということになる。また、包丁を評価する上でも切れ味は大きな指標になってくる。
硬い食材もスッパリと断ち切り、はたまた柔らかい食材も潰さずに綺麗に断ち切る。
そんな切れ味を持つ包丁が、優れた包丁だ。
とはいえ、あまりに切れすぎる包丁は怪我しやすい、危ない、という理由でそれなりの切れ味を求める声もある。しかし切れ味が鈍い包丁だと、硬いものを切断する際に過剰な力を加えることになり、包丁の挙動をコントロールできなくなったり、刃先の破損や刃体の折れなどに繋がったりと、逆に危険が増す事もある。
なので、しっかりと切れる包丁を正しい知識で丁寧に扱う事が、マイベスト包丁への近道だと考えている。
まずは、こちらを御覧いただきたい。
そう、これは「少し古くなって皮に皺が寄ったトマト」。
これが綺麗に切れない食材の代表的な物じゃないだろうか。
今回はこれを
・メンテナンスをしていないお買い求めやすい価格の包丁
・1万円弱でたま~に研いでいるそれなりな包丁
・しっかりと研がれたお高い包丁
の3つでそれぞれ切って切れ味や断面を比較してみたいと思う。
今回は研ぎの状態と包丁の質の両方が大きく異なる比較をするために大きな差が出やすいが、実際の使用状況として不自然ではないため、あえてこの比較とする。
メンテナンスをしていないお買い求めやすい価格の包丁
ではまずこちらの包丁。材質は錆びにくいステンレス製。
ステンレスといってもたくさん種類があるので一概には言えないが、こちらは価格なりのステンレス鋼材。
そしてそれなりに使い込んでメンテナンスもされていないため、購入時よりも切れ味が落ちているもの。これを一般的な包丁の切れ味として比較してみよう。
いざ。
切ったというよりは押しつぶした感がある。トマトは潰れ、中身が出てきてしまっている。
調理法によってはこれでも良いかもしれないが、トマトスライスとして食べるには満足できない結果だ。
たま~に研いでいる1万円弱するそれなりの包丁
次にこちらの包丁。1万円弱もする包丁なので、通常の家庭で考えれば結構良い部類だと思う。そしてたまに研いであるため、それなりの切れ味が維持できている状態。どちらかというと、一般的には「ちゃんとしている」包丁と言えるだろう。
ではこちらで切ってみよう。
先程のものに比べ、「切れている」感じに。
押しつぶしている感じはなく、サラダやトマトスライスとして出てきても満足の行く状態になっている。食材をしっかりと美味しく頂くためにも、最低限これくらいの切れ味を維持したいところだ。
しっかりと研がれたお高い包丁
最後にこちら。私が普段からメインで使用している包丁。
使用度合いにもよるが、週に一度くらいは研いでいる。今回はもちろん研ぎたてで試してみたいと思う。お値段も、先程のそれなりに切れる包丁が4個は買えてしまう値段。
さあ、切ってみよう。
どうだろうか。とても切れるのでほぼ抵抗がなく、トマトの自重でまな板との間に発生する摩擦力の方が大きいため、トマトを手で支えなくともスライスすることができる。
刃先も非常に薄いため、向こうが透けるほど薄くスライスすることが可能に。
これほどの切れ味で切った食材は、切断面も非常に滑らかなため、みずみずしさを保ちやすく、口当たりも滑らかで、本来のトマトの美味しさを味わえると推測される。
たとえばこれが刺身の場合、かなりの味・食感の差となって現れてくる。
やはり調理する以上、どんな食材でもできるだけ美味しく調理してあげたいところ。
そのためにも、包丁の切れ味を良くすることは非常に良いことだと思う。
また、最初は上手くいかない包丁研ぎも、数を重ねていけばどんどん上達していく。
この上達自体がまた一つの楽しみともなる。
物を大事にするという意味でも、包丁を研ぐ事は良い事だと思うので、是非この機会に包丁を研いでみていただけると嬉しい。
古上 正時
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本業:WEB制作・ITサービス
その他:素人料理男子(COOK BOSS http://cookboss.jp/ )