Column男の探求コラム
行列必至のうどん店に聞いた、美しいうどんの盛りつけ方!
盛り付けを変えるだけで、うどんがおもてなし料理に!
手間ひまかけて料理を作っても、盛り付けが決まらないとせっかくの料理も台無しに。うどんやそばなどの麺料理を趣味で手作りする人も増えているが、盛り付けまで気にしている人は少ないのでは? 今回は、そのうどんの姿を見れば、一発で店が分かるほどの人気を誇る『うどん 慎』の店主、楢原慎司さんに美しいうどんの盛り付けを教わった。この盛り付け術を覚えれば、ごちそう感が満載でうどんもおもてなし料理に早変わり!
『うどん 慎』が人気の理由は、打ちたて、切りたて、茹でたての三拍子そろった、コシとノビの中間を探求した麺にある。楢原さんは、いくつかの店で修行していく中で、自分の理想のうどんを追い求め、つるっとした舌触りとぷりっとした歯ごたえを実現した。そして、もう一つ。うどんが美味しいのはもちろんのことだが、その盛り付けの美しさにも定評がある。目の前にうどんが登場すると、その巻きの美しさに思わず写真に収めたくなるほどなのだ。
「開店当時は、このような盛り付けではなかったのですが、盛りつける際にどうしても麺の端がピッと出てしまうのが気になって...。試行錯誤の末、この巻き方にたどり着いたんです」
1. うどんの美しい盛り付け方
早速、その盛り付けを教わりたい。盛り付け技術とともに、美味しいうどんのためのちょっとしたコツもアドバイス。
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1. ゆで上がったうどんは、まずは流水でぬめりと粗熱を取ってから、10℃ほどの冷水に入れる。麺を泳がせたら、親指以外の4本の指で1人前分の麺をすくう。量が決まったら、水の中で麺同士の絡みをほどいておくのがポイント。
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2. 絡みをほどいた麺を人差し指に麺をのせ持ち上げ、親指でロックする。麺の中央を持つのがコツ。
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3. ザルに麺の端をおき、うどんをねじるように右手首を時計回りに動かしながら、麺の端を隠すように巻きつける。
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4. 麺の端が隠れたら、右手首を時計回りに動かして麺をねじりながら、麺をザルに2周分になるように盛り付ける。写真は2周目に入った状態。
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5. 麺がザルの上で2周したら、最後は手の平を返して麺かぶせるように置く。巻きが3周以上になると、最後に崩れてしまうので、2周にとどめよう。
2. 茹で方、締め方でも味わいは驚くほど変わる!
「麺は生き物なんです。茹で方、締め方が異なるだけで味わいも変わって来るんです」と日々麺に向き合う楢原さん。今日からすぐに実践できるコツがこちら。このルールを守れば、いつもの麺が一段と美味しくなるはず!
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麺は茹でむらがないように、たっぷりのお湯で茹でるのが基本。お湯がぐらぐらするほど十分に沸騰したら、麺の馴染みをよくするために酢をほんの少し入れるのがポイント。麺は茹で時間の表記時間よりも1分前から、茹で加減を確かめて、かすかに芯が残っているくらいで引き上げる。
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麺をお湯から引きあげてすぐ冷水に入れてしまうと、水の温度がすぐに上がってしまうので、麺を締めるための水とぬめりを取るための水は分ける、というひと手間を加えたい。流水でぬめりを取り、粗熱を取ったら冷水にさっと通してから、盛り付けに取りかかろう。
講師はこの人!
『うどん慎』店主
楢原慎司さん
福岡県出身。大学を卒業後、植木屋に就職したが、うどん好きが高じてうどんの世界へ。いくつかの店での修行を経て2011年4月、新宿に『うどん慎』をオープン。以来、行列ができるうどん店として国内外から注目を浴びている。
DATA:うどん 慎
住所/東京都渋谷区代々木2-20-16 相馬ビル1F
TEL/03-6276-7816
営業/11:00~23:00(L.O.22:00)、金・土曜11:00~24:00(L.O.23:00)
休み/無休