Column男の探求コラム
浅草の名店「龍園」直伝! 完璧な餃子の焼き方
つくばエクスプレス浅草駅のすぐ前に店を構える『龍圓』。その店主である栖原一之さんは中国料理界でも名の知れた存在だ。小学生の頃、父に連れられて訪れた名店、中華第一楼。そこで出会ったフカヒレスープの衝撃が忘れられず、21歳から都内の上海料理店で修業を積み、1993年に出身地である浅草に龍圓を開店した。
龍圓の餃子における"焼き"の工程で特徴的なのは"蒸す"という要素が入ること。「ご家庭で餃子を焼くときに、まず焼き目をつけてから......なんてことが多く見受けられますが、それはあまり意味がありません。表面が焼けるだけで、おそらく皮のヒダ部分は半生のような感じになってしまうでしょう。そういったことがないようにウチでは"蒸す"という工程をプラスするため、大量のお湯を投入するのが特徴なんですよ」と栖原さん。また、家庭で餃子を作る場合、皮から作らず、市販の餃子の皮を使うことが多いと思うが、その場合にも蒸す工程は必須だという。「市販の皮の場合は保存が効くように、かなりコシが強くなっているので、30秒単位で蒸す時間を増やす(龍圓の皮を使った場合はお湯を入れて約3分蒸らす)のがポイントですね」と語ってくれた。
「ポイントをつかんでおけば、ご家庭でフライパンを使っても皮はモチモチ、焼き目はパリパリ、中はジューシーという理想的な焼き餃子が出来ますよ」
完璧な焼き方、その全工程
餃子はやはり焼きが重要。油をどれくらい使うのか、予熱は必要か、どのタイミングで水を入れるのか。栖原さんにそのポイントを教えてもらおう。
1. 焼き方編
フライパンでもこんなに美しく焼ける!
餃子の達人は業務用の餃子焼き機を使わずにフライパンでも餃子が美味しく焼けると断言する。じつは栖原さんも餃子焼き機ではなく、フライパンを使うことが多いという。
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フライパンを火にかける。この時は強火で水分を飛ばそう。水分が残っていると焦げる原因にもなる。
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フライパンに米油を大さじ1杯程度入れる。米油を使うと油酔いもせず、カラっと軽く仕上がるという。
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油の上に皮に包んだ餃子を並べていく。ここで焼き目をつけるのではなく、あくまで置くだけと心得よ。
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餃子焼き機と同じように沸騰前のお湯をたっぷりとフライパンに入れていく。ポットのお湯でもOK。
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お湯はフライパンが1/3~半分ぐらいまで浸る程度。餃子が半分ぐらいまで浸れば、しっかり蒸せる。
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お湯を投入したら、すぐ蓋をして約3分放置。家庭用での蓋はなるべく重たくて中が見えるものが良い。
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火は強火のまま、3分蒸すと、こちらも中からコポコポという音が聞こえてくるのでしっかり耳を澄まそう。
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火を止めてお湯を捨てる。このときフッ素樹脂加工のフライパンだと餃子まで流れてしまうので注意。
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餃子がこぼれないようにするとお湯は残ってしまうが、残ったお湯はキッチンペーパーでしっかり吸い取る。
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上から米油をかけて、約1分中火で焼けば完成。皮はモチモチ、焼き目はパリッとした餃子の出来上がり。
POINT
油は米油を使うのがコツ!
栖原さんは原料が国産である米油を使用。油を大量に使う中華料理を調理していても油酔いしないのだとか。またカリッと焼けるのも◎
講師はこの人!
龍園 シェフ
栖原一之さん
テレビや雑誌など様々なメディアに登場する「餃子の達人」。忙しい合間を縫って休みになると船を出して海釣りに勤しむのが最近の癒し。
DATA:龍園
住所/東京都台東区西浅草3-1-9
TEL/03-3844-2581
営業/ 12:00~14:30(L.O.14:00)、17:30~21:30(L.O.21:00)、土・日・祝日12:00~4:00(L.O.14:00)、17:00~21:00(L.O.20:30)
休み/月曜(祝日の場合は営業、翌火曜休み)
出典:「#餃子部」(株式会社エイ出版社)