廃棄物削減と資源循環
私たちの基本姿勢
企業活動によって生ずる環境への影響は地球環境全体にも影響すること、地球環境保全は企業の存続と活動の必須要件であることを認識し、「日清製粉グループ環境基本方針」に基づき、自主的・積極的に廃棄物やCO2を削減するとともに、資源やエネルギーの有効活用を図る等の環境保全活動を推進します。
資源循環型社会形成のための取組み
日清製粉グループは循環型社会形成のための資源の有効利用に取り組んでいます。2020年度を目標年として掲げたグループ全体及び各事業場単位でのゼロエミッションは達成しました。今後も、生産工程からの排出物をできるだけ少なくするとともに、製品の包装材料の使用量の低減に努めることにより、グループの事業全体からの資源有効利用を推進します。国内グループ全体及び国内事業場単位でのゼロエミッションは引き続き維持してまいります。
中長期目標
当社グループでは2030年度までの食品廃棄物、容器包装廃棄物の削減目標を2021年度に策定しました。
食品廃棄物の目標
当社グループとして、サプライチェーン各段階の取引先とともに食品廃棄物の削減を進め、持続可能な食料システムの実現に貢献していきます。
- 2030年度目標:
- 原料調達からお客様納品までの食品廃棄物の50%以上削減を目指します (2016年度比) ※対象は国内グループ会社。イニシオフーズ株式会社、株式会社ジョイアス・フーズ、トオカツフーズ株式会社は2019年度比
- サプライチェーン各段階の取引先とともに食品廃棄物削減に取り組みます
当社グループでは、食品の製造・流通工程で発生した食品に供することができない副産物や廃棄物のうち、サーマルリサイクル、埋立、焼却等により処理・処分したものを「食品廃棄物」と定義します。飼料化・肥料化等、マテリアルリサイクルしたモノについては、食料システム等において持続可能な形で再生利用につながることから、「食品廃棄物」に含めておりません。
2023年度までの積極的な取組みにより、中長期目標を前倒で達成しました。今後さらなる食品廃棄物の発生抑制と削減に努めていきます。
食品廃棄物の削減(国内グループ会社)
- 注1)削減対象となる食品廃棄物:食品廃棄物のうち、サーマルリサイクル、減量、埋め立て、焼却などにより処理・処分したもの
- 注2)国内グループ会社を対象とし基準年は2016年度に設定。比較的新しい中食・惣菜事業については基準年を2019年度に設定
容器包装廃棄物の目標
当社グループとして、化石燃料由来の容器包装プラスチック使用量の削減等を推進し、プラスチックの資源循環の促進に貢献していきます。
- 2030年度目標:
- 化石燃料由来のプラスチック使用量の25%以上削減を目指します(2019年度比) ※対象は国内グループ会社
- 環境に配慮した設計等プラスチック資源の循環を促進します
- バイオマスプラスチック、再生プラスチック、再生紙、FSC認証紙等の持続可能な包装資材の使用を推進します
当社グループの製品では、さまざまな容器包装を使用していますが、お客様が製品をお使いになるまで品質を保持するという重要な役割を担っているため、環境配慮設計や持続可能な包装資材の使用を進めるにあたっては、安全・安心を前提として取り組んでいきます。
2023年度に基準年まで遡る算定範囲の見直しを行った結果、グループ全体で削減対象とする基準年のプラスチック使用量は、5,529tから5,997tに増加し、目標年までに一層の削減努力が必要であることが判明しました。今後も化石燃料由来のプラスチックの使用量削減に取り組んでいきます。
容器包装廃棄物の削減
対象:国内グループ会社の化石燃料由来のプラスチック使用量
廃棄物/資源利用
需給バランスにあわせた生産管理や、商品の保管・出荷方法の改善等により、排出物の発生を抑制しています。また、発生した排出物は肥料や飼料の原料にするなど、リサイクルや有効利用に取り組んでいます。
国内のグループ全体の再資源化率は2015年度以降は99.9%を維持しており、2019年度以降には事業場単位でもゼロエミッションを達成しました。2020年度以降は達成したゼロエミッションを維持することを毎年の目標として継続的に取り組んでいます。これからも、3R(リデュース・リユース・リサイクル)に取り組み、資源の有効活用を推進します。
グループの廃棄物最終処分量
※海外子会社は除く
環境データの詳細(530.7KB)
食品循環資源の再生利用
食品循環資源のマテリアルフロー
年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|
食品廃棄物等発生量[千t] | 34 | 44 | 50 |
再生利用等実施率[%] | 99.8 | 99.8 | 99.8 |
対象範囲(530.7KB) ※海外子会社は除く
産業エコロジーへの寄与
製造工程の副産物を作物の栽培に活用
オリエンタル酵母工業(株)は、イーストの製造にサトウキビから砂糖を搾った残り(糖蜜)を活用しています。さらに、製造工程で発生する副産物(パン酵母培養濃縮液など)を、肥料原料として作物の栽培に生かす取組みを農業法人と協働で進めています。従来の化学肥料を用いた栽培方法に比べ、地力が回復し、作物の根の張りが良くなり、収率や作物の香りが良くなることなどが報告されています。化学肥料を使用しない環境再生型農業を推進するほか、食品残渣のリサイクルループの構築にもつながります。
容器包装の削減と再利用
容器・包装材料削減のための取組みとして、3R(リデュース:使用量削減、リユース:再利用、リサイクル:再資源化)を積極的に推進しています。容器包装の設計に際しては、製品安全を確保しながら、できるだけ環境負荷が小さくなるように設計しています。また、当社グループの製品に使われる容器包装の数量に応じて “再商品化委託料金” を支払うことで、当社グループの製品を使用された後の容器包装の再商品化を、公益財団法人日本容器包装リサイクル協会に委託しています。
化学物質の適正な管理
当社グループにおける化学物質の取り扱いに際しては、各事業場において、保管、使用、廃棄に至るまで、グループの基準に従って厳重な管理をしており、法規制やグループの管理基準の遵守状況を監査により確認しています。特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善に関する法律(化管法)に基づくPRTR対象の物質について、排出量・移動量の把握に努めるとともに環境への排出抑制に取り組んでいます。
当社グループの過去3年間の大気への排出または廃棄物に含まれる物質の移動量の実績は以下の通りです。水域、土壌への排出はありません。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | ||
---|---|---|---|---|
化学物質の排出量[t] | 8.7 | 5.3 | 3.8 | |
内訳 | 大気への排出[t] | 0.70 | 0.38 | 0.16 |
公共水域(河川、湖沼、海) への排出[t] |
0 | 0 | 0 | |
下水道への移動量[t] | 0 | 0 | 1.9 | |
事業所の外に移動する 廃棄物に含まれる量[t] |
8.0 | 5.0 | 1.7 |
対象範囲(530.7KB) ※海外子会社は除く
PCB廃棄物の管理
当社グループは、過去に使用していたポリ塩化ビフェニル(PCB)含有機器について、法令に基づき厳重に管理しています。PCB特別措置法等の関連法令に従い、処理を完了しています。
年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|
PCB処理量[t] | 0 | 0 | 0 |
対象範囲(530.7KB)
排出物の適正処理と不正転売防止
年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|
実績(件) | 111 | 157 | 195 |
対象範囲(530.7KB) ※海外子会社は除く
当社グループの各事業場からの排出物については、独自の管理基準に基づいて適正処理されるように努めており、製造委託先を含めて、決められた手順や管理の順守状況を監査により確認しています。排出物の処理委託については、新規に委託する前、及び継続して委託している場合は2年に1度の頻度で、すべての処理委託先に現地確認を含む評価を実施しています。これらの処理委託先評価が当社の基準に合わない場合には改善に向けた処理委託先に対する指導助言や委託見直しなどを行います。
不正転売防止の観点から、製品を廃棄する場合には、包材から取り出して廃棄する、排出の際には社員が立会うなどの方法で、委託先の処理が確実に実施されるように努めています。また、処理委託先選定に際しては、可能な限り資源を有効に再生・再利用することを優先しています。
土壌汚染対策
当社グループでは、土地の売却・購入や賃貸時には適切な情報開示を実施するとともに、土壌汚染状況の調査及び適切な対応を実施しています。